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事実上始まった米中戦争

米中戦争 そのとき日本は (講談社現代新書)

 この1週間ぐらいではっきりと米中対立が激化したように思います。一つは米国の新大使指名でした。次は、今回のコロナウィルスの原因に関する論争です。

 「 米国務省のオルタガス報道官は16日、ポンペオ国務長官が中国の外交担当トップ、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員と同日電話で会談し、新型コロナウイルスの感染拡大の責任を米国に転嫁する発言を繰り返していることに対し、厳重に抗議したことを明らかにした。
 ポンペオ氏は「今はデマを拡散したり奇怪な噂を流したりしている場合ではない」と強調し、「全ての国々が新型コロナという共通の敵と戦うため一致団結すべき時だ」と訴えた。
 新型コロナウイルスの最初の感染例が昨年後半に中国湖北省武漢市で確認され、感染が拡大したことは、各国の保健当局者や専門家の間で事実として共有されている。中国が当初、国内での感染拡大の情報を隠蔽していた実態も判明しつつある。
 一方、中国外務省の趙立堅報道官は13日、新型ウイルスの発生源が米軍の研究施設だと主張する記事をツイッターで紹介し、拡散を呼びかけたほか、12日には「米軍が武漢市にウイルスを持ち込んだのかもしれない」となどと述べた。」

ポンペオ国務長官、中国外交トップに厳重抗議「デマを流すな」 ウイルスは「米国起源説」拡散で - 産経ニュース

このように中国側が今回のコロナウイルスを米国の責任に使用としているのを賢明に批判しています。

しかし、中国はその動きを辞めようとはしていません。

「 中国の外交担当トップ、楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員が16日、ポンペオ米国務長官と電話会談した楊氏は新型コロナウイルスへの対応をめぐって「米国の一部の政治家」が「中国側による防疫の努力を中傷し、中国に汚名を着せようとしている」と批判し、「断固とした反対と強烈な非難」を表明した。国営中央テレビが伝えた。
 楊氏は米側の言動が「中国人民の強烈な憤りを激発している」と主張。「中国を中傷するいかなるたくらみも目的を果たすことはできず、中国の利益を損なう行為は必ず断固とした反撃にあう」と警告した。
 中国政府の情報隠蔽によって湖北省武漢での感染爆発が起きたなどとする米高官の主張に対し、中国当局は反発を強めている。中国外務省の趙立堅報道官が「米軍が武漢感染症を持ち込んだかもしれない」とツイートし、米側がこれを「ばかげた陰謀論」と指弾するなど、双方の応酬はエスカレートする一方だ。」

中国外交トップ、米を「強烈非難」 国務長官との電話会談で - 産経ニュース

 とにかく中国は感染源に関しては誤魔化したくて仕方がないのでしょう。佐官に米国起源説をいいつのり拡散するように努めていますが、中国側が封じこめに失敗したのは明らかなので、今回の中国の反撃も不発に終わることでしょう。

 問題は、今回の騒動が相当悪化していた中国経済に致命的な打撃となったことでしょう。中国への直接投資は減少し、サプライチェーンからはずされる動きは続くでしょう。もう、中国が以前のような経済大国になるチャンスは当分失われたといって良いのです。となると、共産党上層部は、習近平に対して黙ってはいないでしょう。

 経済がだめなので、後は軍事で行くしかなくなります。あと半年もすれば、米中関係は今以上に悪化することでしょう。