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激動の時代を迎える東アジア

米中衝突の結末――日本は孤立し、自立する 日高義樹論考集

 徐々に弾倉に玉が込められ手いるような印象を覚えます。先日のスレイマーニ将軍暗殺事件もそうですが、今日で台湾の中国に併合を望まないという意思が明らかにされたことの意義は大きいと言えるでしょう。

 「 台湾の総統選が11日、投開票され、中国と距離を取る民主進歩党蔡英文総統(63)が同日夜、再選を確実にした。台湾の中央通信が伝えた。蔡氏の次の総統任期は今年5月20日からの4年。副総統候補の頼清徳前行政院長(首相に相当)とともに2期目をスタートさせる。
 中国の習近平国家主席が言及した「一国二制度」を直ちに拒否するなど、中国に対する蔡氏の決然とした姿勢が支持されたとみられる。蔡氏は最大野党・中国国民党の韓国瑜高雄市長(62)と事実上の一騎打ちとなっていた。
 蔡氏は2016年5月の就任後、軍人・公務員・教員の年金制度改革や労働基本法の改正などの不人気政策を進めた影響で、支持率が低迷。2018年11月の統一地方選で与党、民進党が大敗し、一時は再選が危ぶまれた。
 だが、19年1月に習氏の「一国二制度」による台湾統一に関する発言を受け、直ちに拒否すると明言。同年夏以降、香港で反中デモが激化し、台湾世論に対中警戒感が広まるにつれて支持率が回復し、同年下半期は対抗馬の国民党の韓氏に大差を付け続けた。
 対中政策では、就任当初の中台関係の「現状維持」から、台湾の「主権」を擁護し「中国の介入」に対抗する姿勢に徐々に転換した米トランプ政権は、F16戦闘機とM1A2戦車の売却決定や潜水艦の自主建造に対する技術支援、政府高官の接触など台湾重視策を取り、事実上の側面支援を行った
 内政面では、米中貿易戦争の影響回避のため、台湾人企業家の中国からの投資引き上げを支援。アジア初の同性婚容認や所得税減税、子育て家庭への補助金などで若年層の支持を集めた。
 一方、国民党は18年11月の統一地方選で頭角を現した非主流派の韓氏が候補となったが、予備選で生じた党内の亀裂を修復できなかった。韓氏は政治経験と準備の不足から失言が相次いだほか、親中派の印象も払拭できず、中間層への広がりを欠いた。
 11日には立法委員(国会議員)選も行われた。与党・民進党過半数を維持できるかが注目されている。」

【台湾・総統選】蔡氏が再選確実に 台湾メディア - 産経ニュース

今回の蔡英文当選も、全ては習近平の香港問題の解決の失敗によってもたらされたと言えるでしょう。香港のような一国二制度という保証がほとんど意味がないことが今回の一連の事件で明らかになってしまいました。いずれにせよ今回の選挙の結果から台湾の平和的併合の可能性は完全に消滅しました。

 のこる台湾併合の手法は軍事力で強引に併合することですが、台湾の事実上の台湾大使館には現在でも海兵隊が駐留しているとされます。つまりは、米国は何が何でも台湾は守るという意思を表明しています。この関係を壊さないためにも、蔡英文以外の選択肢はなかったと言うべきでしょう。

 今年は、東京オリンピックの年ですが、大震災も予想されています。震災は願い下げですが、オリンピックが終わった後から東アジアのドラマは始まるのではないでしょうか。