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ドル円が動く可能性

米国が仕掛けるドルの終わり

 ゴールドで資産防衛という観点には疑問を覚えますが・・・。

 「トランプ氏は貿易相手国に厳しい態度を取るという公約を掲げたことなどが支持を受けて大統領選を勝ち抜いた。昨年初めに主に米国の同盟国を対象に鉄鋼とアルミニウムに関税を課す輸入制限を発動。その後、2500億ドルの中国製品に関税を課した。中国とは通商交渉を進めており、先月は関税の引き上げを棚上げした。しかし昨年の対中貿易赤字は4190億ドルと、赤字幅が前年比12%拡大した。

昨年12月のモノの貿易赤字は820億ドルで、過去最高を更新した。関税の導入を見込む駆け込み的なモノの輸入がいくらか赤字幅を拡大させたが、貿易収支の基調に大きな変化はなかった。昨年のモノの輸入は前年比9%増となった。サービスを加えた通年の貿易赤字は6210億ドルで、2008年以来の高水準だった。

理由の1つはトランプ氏が主導し、2017年末に議会を通過した大型減税だ。減税によって米経済は2018年に活気付き、国内総生産(GDP)成長率は前年の2.2%から2.9%に加速し、消費需要が盛り上がり、輸入も増えた。

しかし減税は米国のもう1つの赤字、財政赤字も膨らませた。米財務省によると、昨年10月に始まった2019年度の財政収支は、10月から今年1月の4カ月間の赤字が3100億ドルに拡大した。トランプ氏は減税による成長加速で財政赤字は穴埋めできると主張していたが、米議会予算局(CBO)によると、今年のGDP成長率は2.3%にとどまり、財政赤字は9000億ドル前後に膨らむ見通しだ。

今回と同じように貿易収支と財政収支の「双子の赤字」に見舞われたレーガン政権は路線変更を余儀なくされ、1980年代半ばに増税に転じた。ただそれはトランプ氏のやり方ではない。しかしトランプ氏の関税政策は、「経済銃撃戦にナイフで立ち向かう」がごとく、無力なことがあらわになりつつある。」

コラム:トランプ関税の「有害無益」、米貿易赤字は拡大 | ロイター

 ロイターの記事ですが、経済政策に関する限り、レーガン政権と同じ結果に陥っています。すなわち、膨大な財政赤字貿易赤字の発生です。

 トランプ大統領の現在の矛先は中国に向いていますが、それが終われば、ユーロ圏や日本が批判の対象になる事はほとんど自明です。

 世界経済は減速しつつありますが、何がなくても、今後はドル安に転換することは避けられないでしょう。焦点になるのは、人民元ですが、日本円もそれ相応に上昇すると考えられます。ですから、今年は円高の年になりそうですね。