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永久にうだつのあがらないドイツ銀行

リーマン・ショック10年目の衝撃

 リーマンショックの経験は、本質的な意味で学ばれなかったのではないでしょうか。

 「 ドイツの景気が悪化する中で、政府は2大銀行であるドイツ銀行コメルツ銀行の将来について再び頭を悩ませている。
 政府は両行の合併を推進しようとしたが、反発を呼び計画が頓挫。買い手候補も今のところ見当たらない。迫りくるリセッション(景気後退)をドイツの銀行が乗り切れないのではないかという懸念に対し、政府は打つ手がないと、政府の立場を直接知る当局者2人が述べた。財務省はコメントを控えた。
 下院金融委員会に所属する緑の党のダニアル・バヤズ議員は「リセッションに陥った場合、銀行が最初に打撃を受ける」と指摘。現段階で政府は、景気後退のリスクを軽減する財政措置を打ち出すくらいしかできないと付け加えた。
 コメルツ銀とドイツ銀の合併計画は凍結されたが完全に断念されたわけではないと、関係者1人が述べた。いずれかの銀行の将来が本当に脅かされた場合は復活する公算が大きいという。
 ドイツ銀は事業再編計画を発表済みで、コメルツ銀も秋に発表する見通し。両行の取り組みは長期的にはコストを削減する見込みだが、突然の経済活動低迷から銀行を守ることはほとんどできないだろうと、関係者の1人が述べた。実際、退職手当などの費用が膨らむリストラ策は、意図されている資本基盤の強化を遅らせるだろうと関係者は付け加えた。」

ドイツ銀、政府を再び悩ます-合併頓挫、資本強化遅れに景気悪化が襲う - Bloomberg

 ただでさえ収益が下がり、リセッションに入りつつある段階で、これから金融業界が上向いていくことはほとんどないわけです。にもかかわらず、大規模なリストラに取り組まなければならないドイツ銀行は、表面的な資金力は十分であるにしても、隠れている負債がぼろぼろ出てくる可能性はまだあるでしょう。というか、莫大な金額になるとされるデリバティブはまだ償却できていないのではないでしょうか。

 はっきりしていることは、今回の金融危機はヨーロッパ・中国発であるということです。そして、中国のバブル崩壊の可能性が高いだけ、今回の規模は確実にリーマンを越えてくるということでしょう。