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英国が香港に帰還する布石

香港の過去・現在・未来―東アジアのフロンティア (アジア遊学234)

 英外相が香港特別行政区行政長官と電話会談を行っています。

 英ガーディアン紙は次のように報じています。

 「中国は、英国のドミニク・ラーブ外相を非難した。物議を醸す引き渡し法案に対する選挙運動から選挙改革を要求する巡回デモへと変化した抗議を巡って、香港の指導者と議論したためだ。
 ラーブ外相は香港の最高責任者であるキャリー・ラム(林鄭月娥)と会談を行い、領土で「信頼を築く方法として、意味のある政治対話と最近の出来事に対する完全に独立した調査」の必要性を強調した。
 以前の英国植民地であった香港では、ここ数カ月で、論争を呼ぶ引き渡し法案に反対するキャンペーンから始まり、中国領土での選挙改革の推進を含めむ広範な抗議がみられた。
 中国外務省のスポークスウーマンであるHua Chunyingは、英国が香港を統治していた時代は「すでになくなった」と述べた。さらに、英国には、香港に対する主権、管轄権、監督権はない。香港の問題は外国の干渉をうけることはない。英国政府が香港の最高責任者に直接圧力をかけるために直接電話することは、単に間違っている。」と付け加えた。
 英国外務省のスポークスマンは「外務大臣は、英国と香港の関係の強さを強調し、共同宣言で規定されている香港の高度な自律性への支持と、一国二制度の原則の関与を支持している」と述べた。
外務大臣はあらゆる面で暴力行為を非難したが、平和的な抗議の権利を強調し、数十万人の香港人が自分たちの意見を表明するためにこのルートを選択したことに留意した。」

British government's Hong Kong intervention riles China | World news | The Guardian

 香港問題に関しては、英中共同宣言を根拠に発言権があり、それを行使したのが今回の事件のあらましです。香港政府に対して何を話したのかはわかりませんが、治安が崩壊する非常事態に備えて議論を行ったという可能性もあります。

 いずれにせよ、英国が今後も共同宣言を根拠に香港に関わることは、明らかでしょう。人民解放軍が香港に進駐することになっても、すぐには英国は対応しないしできないでしょう。しかし、中国共産党支配が崩れた場合、香港を接収する可能性は閉じられていないというべきでしょう。英中共同宣言を根拠に再び香港を英国が統治する可能性もあるのです。