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本格攻勢に移る習近平

現代大戦略 ~一触即発・軍事バランス崩壊~ - PSP

 バランスが崩れてしまったという自覚は、さすがに習近平ももっているのでしょう。

  そういえば、もうすぐ北載河会議ですね。その会議の概要を予測する上でも、今回の中国国防部の発表は興味深いと言えるでしょう。

「 中国は水曜日、米国の「パワー・ポリティックス(権力政治)」と一方的な政策が国際的安定を不安定にしていると主張している。
 AP通信によると、中国の国防部による政策の概説で上記の主張がなされた。
 米国は、「著しい不安定要因」と「世界の安全保障への深刻な変化」として、概要の冒頭のセクションで言及されている。
 AP通信によると、「米国は自国の安全保障および防衛戦略を調整し、一方的な政策を採用している」と述べている。「それは各国間の競争を引き起こし、激化させ、その防衛費を著しく増加させ、そして世界的な戦略的安定性を弱体化させている。」
 また、アメリカ、日本、オーストラリアによる軍事的プレゼンスの向上と同地域での同盟関係の拡大は、不確実性を生み出したとも述べている。
 この文書は特に、韓国の米国のミサイル防衛システムが地域バランスを崩壊させたと述べた。
 また、台湾を本土と再統一し、中国がチベットの分離主義者への戦いを考慮していることを含む、同国の他の政策についても概説した。」

China says international security is destabilized by US 'power politics' | TheHill

 確かに、アメリカの米国中心主義的政策は中国にとっては大問題でしょう。しかし、それ以前に香港での騒乱を未だに鎮圧できない弱腰と、党の長老に批判されれば、ひとたまりもないでしょう。

 昨年の北載河会議では、王滬寧の欠席が確認されていましたが、今年は出席しそうです。というのも、先日7月17日に開催された外交使節団工作会議には、参加しているからです。下のサイトの写真でいえば、習近平の右隣に座っているのが王滬寧です。

王滬寧陪同習近平接見中國大使們的兩重深意|香港01|分析評論

 ちなみに、習近平の右隣が丁薛祥(ていせつしょう)、彼は中央弁公庁主任です。党の実務を担う、日本でいえば官房長官もしくは官房副長官ぐらいのポストです。丁薛祥の左が外交部長の王毅ですね。王毅は駐日大使も長かったのでご存知の方も多いでしょう。王滬寧の右が楊潔篪(ようけっち)ですね。彼が中国外交の全体を統括しているといっても良いでしょう。

 つまり、左側の丁薛祥や王毅が事務方とすれば、王滬寧や楊潔篪が実際の中国外交の方向性を決定する政策サイドといえそうです。特に、王滬寧が習近平のすぐ右に座っているので、ほぼ完全に復権したと癒えるでしょう。

 先に挙げた国防部の発表が中国共産党の世界認識であるとすれば、これに対して正面から対決姿勢を強めていくというのが、今後の方針なのでしょう。今年の北載河はおもしろそうです。