FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

アフガニスタンから撤退する米軍

ランボー3/怒りのアフガン [DVD]

 18年間も米軍はアフガンで何をしていたのでしょうか。疑問です。

 「 タリバンカタールのドーハにその政治事務所代表としてムラー・アブドゥル・ガニ・バラダールを任命した。彼は、アフガニスタンアメリカとNATO軍の撤退を交渉を担当する。2018年10月に釈放されるまで、バラダールはパキスタンで8年間拘留されていた。
 バラダール氏の任命は本日、タリバンのVoice of Jihadによって発表された。タリバンは、バラダールは政治局を米国との交渉においてその地位を「強化する」ために任命されたと述べた。
 「アフガニスタン・イスラム首長国の勅令に従って、尊敬されるムラー・アブドゥル・ガニ・バラダールが政治問題の首席補佐官およびアフガニスタン・イスラム首長国政治局長に任命された」とタリバンは声明で述べている。
 「この措置は、現在進行中の米国との交渉プロセスを強化し適切に処理するためのものだ」と声明は続けている。タリバンはまた、「進行中の聖戦プロセスと政治的努力が積極的に発展することができるように、アフガニスタン・イスラム首長国の軍事部門と民間部門にその他の変更を加えた」と述べた。
 バラダールは、2010年2月にカラチの襲撃事件の際に、CIAとパキスタンの軍事情報部の合同タスクフォースによって拘束され、保護拘禁されるにいたった。ニューヨークタイムズ紙によると、バラダールの捕獲は「幸運な出来事」であった。
 米国とタリバンの間の推定和平交渉を促進するための努力の一環として、パキスタンは2013年9月にバラダールを釈放すると考えられていた。彼は交渉を支持する穏健派であると広く信じられているので、西側の当局者はバラダールの釈放を要求した。しかし、彼は決して解放されなかった。
 当時、オバマ政権は、米国の増派の後でタリバンが戦場で打倒され、その後、交渉の準備ができていると確信していた。その代わりに、タリバンは会談の希望を利用して、上級指導者たちをグアンタナモ基地から解放し、いかなる譲歩も行わずに、他の譲歩を引き出すようにした。」

Mullah Baradar appointed head of Taliban's 'political office' in Qatar | FDD's Long War Journal

 アメリカは、アフガニスタンに民主的政権を樹立して、撤退したかったのでしょうが、地元のタリバン勢力を結局放逐できず、「アルカイダイスラム国は入れないで」という口約束のもとに、アフガニスタンを撤退せざる得なくなりました。

 サウジが断行しているカタールに事務所を置いた点にも注目です。今回のタリバン事務所の設置で、カタールの不名誉は濯がれたとみるのが妥当でしょう。それだけ、ムハンマド・ビン・サルマンサウジ皇太子の権威が失墜しているとみることもできます。

 それにしても、アフガニスタンから米軍が撤退するとすれば、その駐留の意味とは何だったのでしょうか。多くの犠牲を払い、得たものといえば、アルカイダ勢力のアフガニスタンからの一掃ぐらいで、あまりに時間がかかりすぎたといえます。進出よりも撤退が難しいと考えさせられる一件でした。