また身元が暴露されたプーチンのスパイ
このところ、スクリパル事件だけでなく、次々とプーチンのスパイが暴露されています。これは現在のプーチン清家員の行き詰まりを告げるものでしかありません。
「 米司法省は4日、世界反ドーピング機関(WADA)や米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)などにハッキング行為を行ったなどとして、連邦大陪審がロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の要員7人を起訴したと発表した。
司法省によると、GRU要員らは2014年4月~今年5月にかけて、これらの機関や企業のコンピューターシステムに侵入。過去にロシア政府が関与した同国の運動選手らによる大規模ドーピングの事実を暴いたWADAに対しては、同機関に不利となるような情報を入手して信用性を失墜させるような情報工作を展開しようとした。
また、要員らは今年4月、ロシアが支援するシリアのアサド政権による化学兵器使用を調査している「化学兵器禁止機関」(OPCW)のシステムへの侵入を図ったが阻止されたとしている。」
米、WADAハッキングのロシア情報要員7人を起訴 化学兵器禁止機関にも - 産経ニュース
この産経の記事では控えめですが、ヨーロッパの報道を見る限りでは大ニュースになっています。特に激怒しているのがオランダで、かなり詳しく報道されています。
これで、プーチン大統領がG7に復帰する可能性はほぼゼロになったといえます。本来であれば、アメリカとの関係改善をバネに、国際社会に復帰するつもりだったのでしょうが、トランプ政権に対するソ連の介入疑惑問題は解決知れ居らず、スクリパル親子暗殺事件に続き、今回の国外追放措置なので、プーチンの面目も完全に失われたと癒えます。
ここで気になるのは、プーチンが使用しているのがロシア軍情報部GRUに特化しているということです。プーチン本人はKGB、現在で言えば対外情報機関SVRや国内情報機関FSB出身だったのですから、そちらを使うのが自然ではないかとも思えます。
しかし、GRUばかり用いると言うことは、GRUのサイバー戦などの体制が整っているためだと言えるでしょう。さらに、ちょっとしたオペレーションであれば、GRUだけで完結させることができるので便利といった側面があるのかも知れません。あるいは予算不足からSVRを使うことができないのかもしれません。
ただ、ロシアに限らず、アメリカも中国もインテリジェンス工作が暴露されやすい時代になっているとは言えるでしょう。プーチンが悪あがきをすればするほど、対外的には苦境に追い詰められるという皮肉な現実があります。
これでは、ロシアが大国として台頭するのはもうすこし先のことになりそうです。いくら軍事演習を行って周辺諸国を威嚇したとしても、外交的に孤立したままでは、実際に大規模な戦争に乗り出すことは不可能になります。
おそらく、プーチンにとって唯一の脱出口は日本の安倍首相との間で領土交渉を完結させることですが、ちっぽけなプライドが邪魔をしています。中国といっしょに心中する勇気もないでしょうから、米中軍事衝突の後でハイエナのようにアジアを物色することになるでしょう。