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シンガポールの米朝会談は「実に残念」とCIAの元ケース・オフィサー

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 トランプ大統領のメンタルはほとんど豆腐レベルでしたね。ここまで根性がないとは夢にも思いませんでした。トランプ大統領には少し期待していただけに、今回の米朝首脳会談は大失敗と言っても良い内容でした。元CIAのケース・オフィサーで,現在保守系シンクタンクの研究者であるブルース・クリンガーの主張を紹介しましょう。

  「保守系の学者で元CIAのオフィサーであったブルース・クリンガーは、火曜日に、トランプ大統領北朝鮮非核化に向けた金正恩への提案は、ビル・クリントン政権の時の条件よりも甘い(weaker)と述べている。
 現在ヘリテージ財団のシニア・リサーチ・フェローを務めるクリンガーは彼のツイッターで「これは実に残念だ(very disappointing)。四つの論点は従来の北朝鮮との文書に記載されている。元の文書の方がより強硬で、より包括的な点もある。今回の非核化の論点は六カ国協議のものよりも弱い。そして、CVID、検証、人権には全く言及されていない」と述べている。

 
 歴史的首脳会談の後、トランプ大統領金正恩は、朝鮮半島の非核化の見返りにアメリカが北朝鮮の体制を保証するという共同文書にサインした。
 クリントン大統領も、1994年に、「合意枠組」として知られている北朝鮮との交渉を行っている。この枠組は北朝鮮原子力発電所を凍結し、核開発のできない原発と置き換えることを目的にしていた。
 この枠組合意は、2003年ジョージ・W・ブッシュの時に瓦解した。
 クリンガーのツイッター上のプロファイルによれば、彼はCIAと国防情報部(DIA)で20年勤務したとされている。」

Ex-CIA officer: Trump's Korea proposal weaker than Bill Clinton's | TheHill

 今回の米朝合意が,従来のクリントン政権の時の合意以上に北朝鮮に融和的なものになっているのは、合意文書を見れば確認出来ます。

「トランプ米大統領北朝鮮金正恩国務委員長は、初の歴史的な首脳会談を2018年6月12日、シンガポールで開催した。
 トランプ大統領金正恩委員長は新たな米朝関係の樹立と、朝鮮半島での恒久的で強力な平和体制を構築することについての問題に、包括的で詳細かつ誠実な意見交換を行った。トランプ大統領北朝鮮に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の非核化を完結するための固く揺るぎない約束を再確認した
 新たな米朝関係の樹立は朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると確信するとともに、相互の信頼醸成が朝鮮半島の非核化を促進できると認識し、トランプ大統領金正恩委員長は次のように宣言する。
 (1)米国と北朝鮮は、平和と繁栄を求める両国民の希望通りに、新たな米朝関係の構築に向けて取り組む。
 (2)米国と北朝鮮は、朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、力を合わせる。
 (3)北朝鮮は、2018年4月27日の「板門店(パンムンジョム)宣言」を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。
 (4)米国と北朝鮮は、戦争捕虜、戦闘時行方不明兵の遺骨の回収、すでに身元が判明している分の即時引き渡しに取り組む。
 トランプ大統領と金委員長は、史上初の米朝首脳会談が、重要な意味を持ち、両国間の数十年に及ぶ緊張と敵対を乗り越えて新たな未来を開く画期的な出来事であったと認識し、この共同声明の諸条項を全面的かつ迅速に履行するよう努める。米国と北朝鮮は、米朝首脳会談の成果を履行するため、ポンペオ米国務長官北朝鮮側の対応する高官の主導による後続交渉を可能な限り早期に開催するよう努める。
 トランプ大統領と金委員長は、新たな米朝関係の発展と、朝鮮半島と世界の平和、繁栄、安全の促進に向け協力すると約束した。

2018年6月12日」

【米朝首脳会談】トランプ、金正恩両氏が署名した共同声明(2/2ページ) - 産経ニュース

 トランプ大統領がイランの核合意に異論を唱えるならば、この合意は一体何なのでしょうか。開いた口がふさがらないというのが正直な印象です。本丸であった非核化にしても、具体的な取り決めは何もなされていません。「北朝鮮に安全の保証を与えると約束」してしまったのですから、米軍の圧力で北朝鮮に妥協を迫る方法をトランプ大統領が自ら取り下げてしまったことになります。
 これでは、ロシアも中国も大喜びでしょう。具体的な詳細はきまらず、アメリカだけが北朝鮮への敵対的な姿勢を取り下げるというのですから、北朝鮮は再び安心して核開発に取り組むことができるでしょう。
 また、残念ながら、日本の拉致被害者が帰国できる可能性も極めて低くなりました。少なくとも、今回の米朝会談は、日本に取っては最悪の結果となったようです。