ジョン・ボルトンに関する5つの事柄
これまで、「人間のくず」としばしば言及してきましたが、どのようなキャリアなのかを検証する必要はあるでしょう。
「元国連大使のジョン・ボルトンがトランプ大統領の新たな安全保障担当補佐官としてホワイトハウスにはいる。ボルトンを尊敬する者もいれば、恐れる者もいる。
ボルトンは,この数年間、北朝鮮に対する先制攻撃、イランとの核合意からの離脱、イラク戦争のイランへの拡大を主張し、2016年の大統領選におけるロシアの選挙介入を否定し、生物兵器計画があるとしてキューバを非難してきた。
「私のキャリアの間、どれほど記事や反論、それに意見表明を執筆してきたかわからない。私は,回数も覚えていないが多くの演説を行い、インタビューも受けてきた。これらは全て公の記録に残っている。私は自分の見解に関して消極的になったことはなかった。」ジョン・ボルトンは、ホワイトハウスの指名が決定した数時間後でフォックスニュースの番組で語っている。
ボルトンは、ジョージ・W・ブッシュ大統領の下での論争を巻き起こす官僚として名を挙げてきた。そして、現在はトランプ大統領の非公式の顧問として仕えている。彼は、フォックス・ニュースにコメンテーターとしてしばしば出演し、保守系のアメリカン・エンタープライズ・インスティテュートのシニアフェローとして働いている。
以下に挙げるのは、4月9日にマクマスターに代わって三代目の安全保障担当補佐官に就任するボルトンの過去と現在の主張について知るべき5つの事項である。
1.ボルトンは先制攻撃論を好む
ボルトンは北朝鮮への先制攻撃を提唱してと言われる。つい先月も、平壌との核の対決を解消するためにアメリカは軍事力を使用するべきだと主張している。
「先制攻撃を行うことによって北朝鮮の核兵器による現在の“必要性”にアメリカが対応することは全く合法だ」と、ボルトンはWSJの反論欄のコラムに記している。
「北朝鮮に関するアメリカのインテリジェンスのギャップを考慮すれば、最後の瞬間まで待つべきではない。北朝鮮が遠方まで届かせることができる核兵器を持った後では、その危険は著しく高まる。これははるかに危険な状況だ」
ボルトンは,イランに対しても強硬な姿勢を取っている。やはりWSJの1月の反論欄で、アメリカは「40周年を迎える前にイスラム共和国を終わらせるべきだ」と記している。
多くのテレビ出演と、反論欄で、ボルトンはテヘランの核開発計画を停止する最良の方法としてイランの空爆を求めている。
2.ボルトンのボスは論争の的になる
2005年にボルトンの国連大使への指名を上院がブロックしたのは、彼が国務省の職員をいじめていたという主張が見られたためであった。
2002年に武器管理国債安全保障担当の国務省次官補として勤務する際に、ボルトンは、自分の部下に、キューバが生物兵器プログラムを持っており、そうした技術を他のならず者国家に移転しようとしているという文書を作成させた。
国務省の生物兵器のトップのアナリストは、この主張を認めなかった。ボルトンはこの人物を罷免し、別の人物をそのポストに据えようとしたとアナリスト本人が議会で証言している。
ワシントンポスト紙は、そのアナリストに激怒し、自分のオフィスに呼んで叱責し、彼を「チビ(munchkin)」と呼んだと報じている。
別の国務省の元インテリジェンスアナリストは,上院外交委員会で、ボルトンを「連続いじめ犯」と見なしていたと証言した。
加えて、モスクワでのプロジェクトで働いている政府の契約業者は、上院の委員会に、1994年にボルトンが彼女と話をしようとしてとった攻撃的な姿勢を手紙の中で詳細に明らかにした。その中には、彼女をホテルまで追いかけたり、彼女の部屋のドアをどんどん叩いたりすることも含まれていた。
共和党が有力な上院はボルトンを国連大使に任命することはできなかった。しかし、2005年8月にブッシュは,上院が休会している間に、ボルトンを国連大使に任命したのだった。
3.ボルトンは国務省のファンではない
ボルトンは政府機関とキャリア官僚に対する嫌悪を隠そうともしない。そして、しばしば国務省の職員とは衝突してきた。
ボルトンの上院の指名手続きの際に、60名の退職した外交官が,彼の指名に反対する書簡を委員会の議員に送っている。
2016年、トランプが大統領選に勝利した直後、国務次官候補としてボルトンの名前が挙がったときに、再び懸念が生まれていた。
In 2016, shortly after Trump won the presidency, concerns were again raised over Bolton after his
ランド・ポール上院議員はこの指名を阻止すると約束していた。そして、NYTに、「国の最高位の外交官の一人が果たして外交的なのかどうか、語られるべき事がある」と述べている。
トランプ大統領が罷免したレックス・ティラーソンですら、ボルトンを部下に抱えることに懸念を表明していた。
他のものは、タカ派のブッシュ政権の官僚を擁護している。養護している中には、マルコ・ルビオ上院議員も含まれる。
「ジョンボルトンは、ホワイトハウスにとって大きな力になる。ネットやケーブルテレビで目にする揺らぎはばかげている。いらいらさせるのはイラン・マデュロ,北朝鮮、それにテロリスト達だ。彼等にとっては悪いニュースだ」とマルコ・ルビオは金曜日にツイートしている。
4.ボルトンはフォックスニュースと保守系ラジオの常連
ボルトンは、2006年12月に国連大使をやめて以降、フォックスニュースや保守系ラジオの常連であった。
強硬派の保守派からは、彼の歯に衣着せぬ容赦のないアプローチは絶賛されている。その一方で、彼が国連大使であったときに、「(国連本部の)10階建ての建物がなくなっても、たいして違いはない」といったとことは有名である。
保守派の視聴者は、北朝鮮、イスラム、オバマ政権、それに中東での紛争に対する強硬な主張を歓迎している。ボルトンはフォックスニュースでの出演時間が長いので、2012年と2016年の大統領選に出馬することも検討したほどであった。そして、ワシントンの外で開催される保守政治行動会議(Conservative Political Action Conference)の年次総会で毎年演説を行っている。
しかし、ボルトンの見解は、カウンター・ジハード運動といった反イスラム行動家を含むほかの分野からも称賛されている。このグループは、オバマ前大統領がイスラム教徒でアメリカで生まれていないと主張したことで有名である。
5.ボルトンは特定の軍事目標に対するペンタゴンの首脳陣といがみ合っている
ボルトンは、イランや北朝鮮に関してマティス国防長官の見解とは全く正反対の見解を持って今回大統領補佐官に就任する。
北朝鮮に関しては、孤立した国家との交渉に際して外交を優先させている。1月にはマティス長官は、「金正恩の向こう見ずなレトリックと危険な挑発に理性を押し付けなければならない」と主張している。それに対して、ボルトンははるかに違った見解をもっている。
ボルトンは、去年の9月に、フォックスニュースで、「残された唯一の外交オプションは、北朝鮮の体制を終わらせることだ」と論じている。
「より多くの外交、より多くの制裁と考えているものはだれでも、北朝鮮に核の弾薬庫を充実させる時間を提供しているのだ」とボルトンは語った。
そして、マティス国防長官は個人的にイランとの核合意にとどまるように求めていたが、ボルトンは、その核合意には「根本的な欠陥」があり、アメリカは脱退するべきだと主張している。
この数年間、ボルトンは、軍事行動によってもたらされるシリアとリビアの体制変革を要求してきた。それに対して、ペンタゴン上層部はそうした関与を回避してきた。
彼の前任者であるマクマスターとは異なり、ボルトンはマティス国防長官とは関係がない。
「私はマティス将軍と会ったかどうか記憶にない」とボルトンはフォックスニュースのインタビューで答えている。
さらに、ボルトンの見解は、ほかの国から距離をとるというトランプ大統領の選挙時のレトリックとは矛盾すると指摘する声もある。
トランプ大統領は,3月4日に、2003年のイラク戦は「これまでで最悪の判断」だったと述べた。
「率直に言って、私がこれまで語ってきたことは過去の話だ」とボルトンはフォックステレビのインタビューで答えている。「重要なことは、大統領が語ることであって、私が大統領にどのようなアドバイスをするかと言うことだ」
Five things to know about new Trump adviser John Bolton | TheHill
これを見る限りでは、ボルトンは粘着質の人物のようです。ただ、トランプ大統領とは相性が良さそうですね。
ただ、今後の懸念材料としては、マティス国防長官とのケミストリーが会うのかということです。生粋の職業軍人とネオコンのボルトンでは議論が会わないかもしれません。おそらくは、それを仲裁するのがトランプ大統領なのでしょう。
一つ言えるのは、中東での戦争の可能性はこれまでにも増して高くなったということです。北朝鮮も問題ですが、こちらは腰砕けに終わりそうです。