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アジア訪問でのトランプ大統領の目的

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 (上の写真はメラニア夫人です。元スーパーモデルだけあって美人ですね。この写真はスミソニアン博物館で大統領就任式の自分のドレスが展示されているのを見学していることころです。)

 今回のトランプ大統領のアジア訪問には、大きく分けて二つの目的があります。一つは、差し迫った北朝鮮の危機をいかに解決するのかということ。この問題に直接関わるのは、米国、日本、韓国、中国になります。もう一つの隠れた問題は、中国をどう封じ込めるのか、その封じこめにアメリカがどう貢献できるのかということになります。その封じこめの協議に加わるのが、日本、ベトナム、フィリピンになります。
 今回娘婿のクシュナーは前半しか同行しません。マール・ア・ラーゴへの習近平の招待を手配したのがクシュナーでしたから、中国に対する儀礼という側面があるのでしょう。
 今回紹介するトランプ大統領の発言からも、露骨な中国への敵意はありません。おそらくは、南シナ海の問題、通商問題が焦点になると考えられますが、それでも現在の円滑な米中関係を維持したいという意思が双方にあるのでしょう。
 トランプ大統領の側から言えば、現在の国内の政治的混乱が治まるのは来年の中間選挙共和党の議員が代替わりするまでつづくので、中国との表だった対立は避けたいということでしょう。それ以外にも、産業界、金融界からの圧力は相当なものになります。通商問題などを除いて、中国とは事実上停戦になります。
 興味深いことに、それは習近平にとっても同様です。今回の党大会を無事開催し、自己の権力を確実にするために、昨年中頃から財政出動に次ぐ財政出動を重ねてきました。現在、世界の景気が良かったのは中国の花見酒のお陰でもあったのです。
 しかし、党大会を終えて、自分に都合の良い体制作りはできたものの、国有企業の整理といった先回しにされてきた問題は全く解決されていません。それ以前に、いまやブラックホールと化した債務問題が全く手つかずでのこっているのです。この問題を最低限のダメージで乗り切るためには、それこそウォール街の協力が必要になるのです。ですから、今後中国は、アメリカや日本の協力が必要になります。
 とするならば、今回のトランプの訪中も、内容がないにも関わらず(笑)成功裏に終わることになりそうです。
 すると、北朝鮮は米中による挟撃からますます逃れにくくなるということになります。支援してくれるのはロシアだけ。現在、米朝、中朝間で直接交渉が始まっていますが、水爆を再び爆破させるだけの元気はもはやないと思います。

 

 「トランプ大統領は、インタビューで、アメリカとその同盟国に「北朝鮮問題を解決しよう」と呼びかけました。そして、「私が解決する」とも述べました。
 水曜日に放映されたフォックス・ビジネス・ネットワークのロウ・ダブスとのインタビューで、トランプ大統領は、中国訪問に触れ、「歴史的かつ肯定的」な経験になると考えていると述べました。
 「それから、我々は北朝鮮問題を解決しなければならない。これは大変大きな問題だ」とトランプ大統領は述べました。
 「こんな問題を私が扱う必要はなかったのだ。私が大統領に就任する以前の問題解決が容易だった時に解決されるべきだった問題だ。しかし、この問題が私に回ってきた。だから、私が解決する。私がこの問題を解決するんだ。」と彼は続けた。「マーケットの現状には満足している。規制緩和も、それに我々が行ってきたことに対しても満足している。それがマーケットを引き上げているんだ」
 トランプ大統領は12日間のアジア外訪のために11月3日に出発する。その間、トランプ大統領は中国、ベトナム、日本、フィリピン、それに韓国を訪問する。
 ワシントンと平壌の緊張が高まっているときに、今回のトランプ発言があり、その後の外訪へとつながっています。
 この数カ月は、トランプ大統領は、北朝鮮金正恩に対して「チビのロケットマン」と嘲り、より過激なレトリックを用いるようになっていました。
 先月の国連総会での最初の演説で、トランプ大統領は、北朝鮮がアメリカとその同盟国を脅かし続けるならば、「北朝鮮を完全に破壊する」と恫喝していました。
 この一連の恫喝は、北朝鮮による一連のミサイル・核実験の後になされました。これらの実験には、米国本土を攻撃出来る核ミサイルの開発が順調であることを見せつけるという目的がありました。」

Trump on North Korea: 'I get it solved' | TheHill


 マーケットに対する言及もありますが、株価やドルが上昇しているのですから、トランプ流の経済政策を認めねばならない時期に入っていると思います。また、「北朝鮮問題は,私が解決する」とまで言いきっているのですから、おそらくは解決の目処があるのでしょう。