ホワイトハウスを吹き抜ける不吉な風
ザ・ホワイトハウス 1stシーズン 前半セット (1~12話・3枚組) [DVD]
以前にマクマスター補佐官の辞任の可能性をお伝えしましたが、ホープ・ヒックス広報担当官辞任、ゲイリー・コーン辞任に続き、ケリー主席補佐官も馘首となる可能性が出てきました。
「ヴァニティーフェアー誌の報道によれば、トランプ大統領は徐々にケリー主席補佐官に不満を募らせている。そして、変わりの人材の面接を計画している。
ホワイトハウスに近い共和党関係者は同誌に、トランプ大統領は、この数週間でホワイトハウスのスタッフの「クリーン・リセット」を実施しようとしていると語った。トランプ大統領は、今週からマールアラーゴで候補者の面談を開始する可能性があると同誌は伝えている。
匿名の共和党関係者は、「トランプ大統領は『クリーン・リセット』を望んでいる。しかし、それが混沌のように見えないようにシステマティックに行う必要がある」と語っている。
別の共和党関係者も「トランプ大統領は『白紙』を求めている」と述べている。
ケリー首席補佐官に辞任の可能性がある事は,この数週間噂されていた。ホワイトハウスは、トランプ大統領は自分の首席補佐官を信頼していると述べて、ケリー補佐官を支持する姿勢を見せていた。
ケリー首席補佐官に加えて、トランプ大統領は安全保障担当補佐官のH・R・マクマスターを交代させることも検討している。この数カ月マクマスター補佐官とトランプ大統領はしばしば衝突してきたためだ。
今月初め、ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は「マクマスター氏はどこにも行かない」と述べていた。
また、ヴァニティー・フェア誌によれば、トランプ大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナーと娘のイバンカ・トランプもホワイトハウスから退出する可能性がある。クシュナーは,2月に、最高ランクのクリアランスを失っている。そして、最近の報道では、投資家がクシュナーとホワイトハウスで会談し、その後その投資家が後にクシュナー・カンパニーに資金を貸したとされている。
一節によると、トランプ大統領はクシュナーに、2020年の大統領選の選挙運動マネージャーのブラッド・パースケールと共に、ニューヨークに帰るように促しているとのことだ。
「彼は、クリアランスが必要ないことなら何でも検討している」と元ホワイトハウスのスタッフは述べている。(以下略)」
Vanity Fair: Trump to interview for Kelly replacements at Mar-a-Lago | TheHill
金正恩との首脳会談が間近に迫っているにも関わらず、実にまずい雰囲気です。これまでの安全保障政策との整合性は維持できるのでしょうか。なによりも、北朝鮮に対して有効な対応がとれるのでしょうか。
トランプ大統領にも言い分はあるのだと思います。マクマスター補佐官が執拗にロシアの脅威を取りあげ、自分が選出された選挙が不正であったという点でいつまでも自説を曲げないのであれば、腹も立つことでしょう。
ケリー補佐官に関しても、クリアランスの件を整理しておかなかったのは大きなミスでした。しかし、元はといえば、娘婿のクシュナーの微妙な立ち位置を忖度した結果だとすれば、ケリー補佐官も良い迷惑だったのかもしれません。
これは一般論ですが、幹部が次々と辞めていくというのは、あまり良い職場ではありません。北朝鮮が、ホワイトハウスの地盤沈下をうまく利用する事になりそうで、状況としては非常に良くないといえます。