「認めなくないものだな、若さ故の過ちというものは」と金正恩(冗談です)
そろそろ、北朝鮮も打つ手がなくなってきました。祖父のように一発はったりを咬ませば、資金も時間も手に入ると考えていたのかも知れませんが、今回に関しては裏目に出たようです。振り返ってみれば、93年から94年の交渉のプロセスがあまりに手ぬるいものであったこともその原因の一つでしょう。核とミサイルはぎりぎり入手することが出来ました。しかし、それを使うのでしょうか?
北朝鮮が核の先制使用をすることは事実上不可能です。なぜなら、それは北朝鮮の現体制の死を意味しているためです。本音は核を保有したまま米交渉で国交樹立なのですから、今回の一連の騒動も完全な失敗に終わり、以前よりも状況がさらに悪化することになります。EU諸国が次々と北朝鮮と距離を取り始めている中で,唯一、手をさしのべているのがロシアですが、このままでは、ロシアに全てを握られてしまうことになります。もう袋小路(cul de sac)です。そうした観点から次のニュースを見ると金正恩も相当追い詰められていることがわかるでしょう。
「[シドニー 20日 ロイター] - 北朝鮮がオーストラリア議会などに書簡を送り、核保有国であることを強調するとともに、トランプ米大統領の脅しに屈しない姿勢を示していたことが分かった。
20日の豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(SMH)が掲載した9月28日付の書簡の写しによると、北朝鮮は「核保有国である朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)を、核戦争の脅しによって屈服させることができるとトランプ氏が考えているとしたら、大きな計算違いであり、無知の表れだ」と指摘した。
また「トランプ氏はDPRKを完全に破壊すると脅したが、これは全世界の破壊を警告する過激な脅迫行為だ」とも主張。
「独立と平和、正義を愛する国」は「世界を核の大惨事に陥れようとしているトランプ政権の凶悪で無責任な行動を強く警戒」すべきだと訴えた。
豪外務省報道官は、SMHが掲載した書簡の写しが本物であることを確認した。
書簡は「各国議会への公開書簡」と題され、インドネシアのジャカルタにある北朝鮮大使館から同市のオーストラリア大使館などに送られた。書簡が送られた他の国は明らかでない。
ビショップ豪外相は記者会見で、北朝鮮がこのような形で各国にメッセージを送るのは異例だとし、外交・経済面で各国が協力して圧力を加える戦略が奏功していることの表れだとの見方を示した。」
この記事の発言を読むだけでも、「もうこれ以上いじめないでください」という金正恩の心の叫びが聞こえてきそうです。