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今さら友達を探しても遅いよ、正恩君!

 しつこいようですが、今回の国連総会における米朝罵倒合戦は、北朝鮮の敗北に終わったようです。

  やはりNHKからです。
 「北朝鮮国営の朝鮮中央通信は25日、朝鮮労働党最高人民会議の外交委員会が、アメリカ・トランプ大統領の国連総会での演説を受けて各国の国会や政党に公開書簡を送ると伝えました。
 書簡の中で北朝鮮は、トランプ大統領が「アメリカと同盟国を守らざるをえない場合、北朝鮮を完全に壊滅するほか選択肢はなくなる」と述べたことを改めて厳しく非難するとともに、「演説によって朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と近づいている」と主張しています。
 書簡はさらに、みずからの核・ミサイル開発について、「アメリカの侵略を防ぐための抑止力だ」として正当性を主張しました。(後略)」

北朝鮮が各国に書簡「核戦争の危険近づく」 | NHKニュース


 今になって慌てているわけですね、北朝鮮は。アメリカのトランプ大統領が先に国連総会で行った演説を非難する書簡を各国の国会や政党に送ると発表し、「朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と近づいている」などと主張して、みずからの立場への理解を得ようということなのでしょうが、既に時遅しという印象があります。
 ただ、ここに来てほとんど最後の友達であるロシアはけなげに援護射撃を買って出ています。ブルームバーグは次のように伝えています。
「ラブロフ外相は24日、ロシアNTVテレビとのインタビューで「米国は北朝鮮核兵器保有していると疑っているのではなく、もはや確信している。それが理由で米国は攻撃しないだろう」と発言。「なにも北朝鮮をかばっているのではなく、この分析にはほとんど全ての人が同意するだろうと言っているだけだ」と続けた。
 米国がイラクを攻撃したのは「大量破壊兵器など残されていないという情報を100%得ていたからだ」と述べ、当時の米国の主張に反論。朝鮮半島問題を外交的に解決しなければ北朝鮮や国境を接する韓国、日本、さらに中国やロシアでも大勢の人々が被害を被るだろうと語った。」

北朝鮮の核兵器、米先制攻撃を抑止している-ロシア外相 - Bloomberg


 しかし、現段階では北朝鮮との外交による問題の解決は著しく困難になっていると言わざるを得ません。ラブロフの言っているのは「もう北朝鮮核兵器とミサイルを持っているのだから、攻撃などするな」ということに尽きます。
 この発言は、失敗だったのではないかと思えます。というのも、ロシアはイランを背後から支えており、しかも、北朝鮮の味方にもなるということは、アメリカの対イラン政策対北朝鮮政策と著しく相反するためです。
 特に、イランは、すくなくとも現在のトランプ政権では、エネミーNO.1なのです。それに加えて、イランとも関係が深い北朝鮮を擁護するのであれば、今後の米ロ関係に暗い影を落とすことになるでしょう。
 さらには、EUの対ロシア制裁もさらに長引くことになります。原油安は一旦治まっているとはいえ、ロシア経済の前途は不透明です。この一本調子な挑発的姿勢をロシアも改めなければ、ロシアにとって不都合が生じる可能性が高いでしょう。