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NAFTAの行方とメキシコ・ペソ

 急にドルが下がったかと思うと、18日から猛然と上昇。不可解ですよね。

 話は変わるのですが、例えばお見合いで破談になって、喜ぶ親がいるでしょうか。実際にはなかなかいないものですが、むしろまとまってもらっては困るという場合もまれにあるのかもしれません。そんなたとえが一番よくはまるのが、NAFTA交渉でしょう。

 ロイターから引用します。

「[アーリントン(米バージニア州) 15日 ロイター] - 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉は、緊張が高まって期限の12月末までの決着が難しくなっており、残りの交渉期限が延長されそうな情勢だ。3人の関係筋が15日明らかにした。

 トランプ米政権は、カナダとメキシコにとって受け入れ難い強硬な提案を数多く突き付けている。関係筋によると、どの国も交渉から撤退せず、徐々に妥協点を探っていく構え。

 関係筋の1人は「作業が多すぎて時間が足りない」と述べた。

 交渉の内容を知る関係者によると、交渉の雰囲気は非常に緊迫しており、カナダとメキシコはトランプ政権が本当に決着を望んでいるのか疑念を募らせている。

 

 関係筋2人によると、バージニア州アーリントンで開催中の第4回会合は日程を2日間伸ばして丸1週間となっており、残る3回の会合も延長される可能性がある。来年初めに追加会合を行うことを視野に、日程調整も始まっているという。

 3カ国は当初、来年のメキシコ大統領選と重ならないよう、交渉の期限を今年12月末に定めた。当局者らは現在、来年2月末までの延長であれば、大きな問題を引き起こさずに済むかもしれないと述べている。」

 もし、アメリカが主張する方針でNAFTAが再び合意を見ることになれば、これはメキシコに進出しているアメリカ企業にとっては大きな打撃になります。いずれ、貿易不均衡を是正するための措置が必要になるにせよ、現状でメキシコ経済圏からアメリカが切り離されることはだれもが望んでいなかったのです。それが、ドルの過小評価につながっていたと考えられます。

 環境から言えば、アメリカは金利引き上げを志向しているのですから、ドルが上昇して当然の局面でした。それが、債券が上昇していた背景には、こうしたドラマがあったというわけですね。