FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

イランにミサイル問題で譲歩の動き

 これが実現すれば、トランプ外交の勝利ということになるでしょう。

 

 「西側諸国とイランの関係者の発言を用している新たな報道によると、イランは、先月、国連総会の傍観者会合で、米国と他の5つの世界大国に、弾道ミサイル計画について話し合う可能性があると通知しています。
 ロイター通信によれば、核合意を否定しようとするトランプ大統領の脅威の中で、イラン外務省のムハンマド・ジャバード・ザリフ外相は、核合意に関与した他の国々に対して、イランは、ミサイル計画のいくつかの側面について議論する意思があると示唆しました。
「先月の国連総会の席上で、イランは、世界の指導者に、懸念を取り除くために、ミサイル計画について話し合うことができると語った」とイランの関係者はロイター通信に対して述べています。
 国連が支持している核交渉は、制裁解除と引き換えに核の野望を抑制することを目指しています。 しかし、テヘランは、防衛の目的で弾道ミサイル計画を開発し続けるつもりだと述べてきました。
 トランプ政権は、イランがミサイル開発を継続すれば、米国、英国、フランス、ドイツ、中国、ロシアとの2015年の核合意に違反することになると主張してきました。しかし、しかし、イランは、ミサイル開発は核合意違反には当たらないと主張してきました。
 ロイターに対し、元ペンタゴン当局者は、イランはミサイル計画に関して、米国や他の国に探りを入れていたと述べています。
この会談の知識があるアメリカ当局者によれば、ザリフの提案は全く新しいことではなく、 「一時的にテーブルの上に横たわっている」提案を単にリサイクルしているだけだとロイターに語っています。
 先月の国連総会以前は、トランプ大統領はイランとの合意に反対しており、「最悪の交渉」と非難していました。
 トランプ大統領は、就任以来、イランが核合意を遵守していることを2度にわたって確認していますが、テヘランが合意条件を遵守していると確認する期限が10月15日に迫っています。(定期的に大統領がイランの核合意遵守をチェックすることになっているためです)
 核合意の全ての関係国が認めているのは、イランは技術的には合意を遵守しているということです。しかし、トランプ政権は、テヘランが“合意の精神”を踏みにじっていると主張してきました。
 大統領は、核合意の遵守を承認しないと伝えられてきました。その場合は、議会が、60日間の間に、核合意の下で解除された制裁を再び科すかを決定することになります。
 ジェームズ・マティス国防長官とレックス・ティラーソン国務長官は、共に、大統領に、合意を放棄しないように求めています。
 トランプ大統領は木曜日に、イランの核合意遵守を認める回答は「すぐに」出すと述べています。」

Iran open to talks on missile program: report | TheHill


 イランの核合意に関する関係国会合では、ミサイルの話は既に出されていたのでしょうしかし、この段階で「ミサイルのことを話し合ってもよい」とイランが譲歩した背景には、アジアにおける核危機が深まりつつある中で、それが、遠からず中東、特にイランに波及することを深く自覚しているためと考えざるを得ません。
 仮に、大統領がイランは核合意を守っていないと主張しても、米国議会で覆せるので、直ちに危機に突入ということにはならないでしょう。ましてや、前回お伝えした通り、イランには北朝鮮ほどのミサイル技術はないと考えられます。
 いずれにせよ、ここでイランが譲歩すれば、トランプ外交の輝かしい勝利となることでしょう。

firsthedge.hateblo.jp