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「核武力建設の完遂」を主張する北朝鮮

 10日の北朝鮮の反応を巡り各国が神経質になっています。そんな中で、北朝鮮が新たに声明を発表しました。

  時事通信は次のように伝えています。

「【ソウル時事】8日の北朝鮮国営・朝鮮中央通信によると、朝鮮労働党中央委員会第7期第2回総会が7日、平壌で開かれた。金正恩党委員長は、米国の「核戦争挑発」と「制裁圧殺策動」を「断固粉砕する」と強調した。その上で、核開発と経済建設を同時に進める「並進」路線を揺るぎなく推進し、「国家核武力建設の歴史的大業を完遂させる」と表明した。
 同通信の報道は、具体的な軍事的措置には触れていないが、10日の党創建72周年記念日に合わせて弾道ミサイル発射など挑発を仕掛ける可能性が指摘されている。(2017/10/08-17:30)」

 金正恩の代になってから、特に今年は実験を行う場合は「実験を行うことを慎重に検討」という文言がありましたので、現段階ではまだ北朝鮮の意向は不明であるということでしょう。

 むしろ、核開発と同時に経済成長を完遂するという野心的な試みを金正恩が表明している点に注目するべきでしょう。

 中国との関係が悪化していることを考えれば、安全保障・経済上のパートナーはロシアになると言うことは直前のエントリーでも紹介した通りです。

 仮に、北朝鮮がミサイル実験を強行すれば、ロシアのメンツは丸つぶれになります。その場合は、ロシアはあっさり手のひらを返して、北朝鮮を追い込みにかかるでしょう。最後の命綱であるロシアに追い込みを欠けられれば、金正恩政権の事実上の終わりです。

 ですから、この場合金正恩体制が存続する唯一の可能性は、核・ミサイルを放棄できなくとも、これ以上の実験を差し控えると言うことなのです。

 しかし、今度は逆に北朝鮮の国内政治が持つかという別の問題が生じます。これまでは、核・ミサイル開発を金看板に全てをつぎこんできたためです。そうなれば、北朝鮮内部のクーデターの可能性もそこから生じると言えるかも知れません。

 いずれにせよ、もうすぐクライマックスです。今年中に決着がつく可能性が高くなってきました。