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暴れるのはこれからだ、と金正恩

ルポ 金正恩とトランプ 米朝の攻防と、北朝鮮・核の行方

 このところの北朝鮮の大きな態度が気になります。

  まず、一つ目の事件としては、北朝鮮の漁船の衝突事故です。これは、北朝鮮の近隣の海域は、中国漁船に漁業権を売り渡しており、かといってロシア沿岸ではロシア側の警備艦艇に銃撃を受けます。ですから、日本の排他的経済圏にまで出張せざる得ないのです。

 これは、経済的な行き詰まりが著しいということでしょう。

 さらに、ベトナムでの首脳会談が失敗に終わったために、経済制裁が継続しており、おそらくは中国から若干の物資は輸入されているとしても、国家の経済を動かすほどではなく、やはり行き詰っているということでしょう。

 今回のアメリカとの準備交渉にかんしても、アメリカ側をはねつけましたが、「年末までであればぎりぎり間に合う」という計算があるためと考えられます。総じて、北朝鮮は追い詰められている。そして、相次ぐミサイル実験から、金正恩も同様に追い詰められているという見方も成り立ちます。そこで、金正恩が姿を消しているというニュースです。

「 スウェーデンでの米朝実務交渉の前から始まった北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)国務委員長の潜伏が長い
 韓国政府当局者は8日、「金委員長が先月10日から今日(8日)までの29日間、公開的な席に姿を現していない」とし「米朝実務交渉に集中していたと推定される」と述べた。
 北朝鮮は先月10日、平安北道价川(ケチョン)空軍基地で超大型放射砲を発射したが、金委員長はこれを参観して以来29日間も公開活動をしていない。金委員長が今年に入って10日以上にわたり姿を現さなかったのは今回を含めて計6回だが、29日間は最長だ。
 5月9日に短距離ミサイル(北朝鮮版イスカンデル)発射現場を訪れた後、22日間潜伏した。これに先立ち金委員長はハノイ米朝首脳会談が決裂した直後の3月10日から17日間、姿を見せなかった。当時は首脳会談決裂による衝撃と内部整備のためだった。スウェーデン実務交渉前後の今回の潜伏期間はハノイ会談後よりも長い。
 これについては、年末までと期限を定めた米朝首脳会談の戦略樹立レベルとみる分析が多い。国家安保戦略研究院のキム・イルギ北朝鮮研究室長は「金委員長は2017年まで、長期間公開活動を中断した後また登場する時には核実験やミサイル発射をした」とし「昨年からは会談を控えて『短期間』姿を消すケースが多かったが、特に今回は死活をかけて進めた米朝首脳会談の準備のためである可能性が高い」と述べた。」

金正恩委員長、ハノイ衝撃当時より長い29日間現れず…「プランB」構想中? | Joongang Ilbo | 中央日報

 やはり、前回のミサイル実験は藪蛇であったといえます。これはトランプ大統領との合意に違反しています。トランプ大統領に対応するだけの余力がないという計算に基づく発射であったと考えられます。それ以外の要因としては、北朝鮮国内の核開発推進派を抑えることができないというものです。

 そこに金正恩が姿を見せないということを考慮すれば、まだ北朝鮮の挑発行為は続くということです。今度はミサイルではないかもしれません。しかし、ミサイルでなければ、核実験ということになるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、朝鮮半島では緊張が急速に高まっているといえます。