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北朝鮮、ついに資金切れ

 北朝鮮の住民は、精力的で、忍耐強く、ハッカーの活動を見ればわかるように、その創造性においても他の国に引けを取りません。それに比べれば、韓国の体たらくは目を覆うばかりです。民族的に北と南は異なると考えざるを得ません。
 とはいえ、国際的な制裁措置により、金正恩が裏金を手にすることができなくなれば、それこそ「金の切れ目が縁の切れ目」になるのではないでしょうか。感情的な意味で,現在の北朝鮮には金正恩とつながった人間はほとんどいないように思えます。

  「金正恩の率いる北朝鮮が管理する資金は,相次ぐ核実験とミサイル実験で枯渇し、今回オリンピックに参加を表明したのも、崩れつつある経済を立て直すための陰謀に過ぎないと情報筋は伝えている。
 水曜日に北朝鮮のラジオフリーアジアに北朝鮮エリートにコネを持つ中国関係筋が語ったところによれば、今年政権を委譲されて7年目になる金正恩金正日から受け継いだ資金をあらかた使い果たしてしまった。
 「金正恩が派手に支出したために、父の金正日から受け継いだ資金は底をつき始めている」と情報筋の一人は,匿名を条件に語った。
 「北朝鮮のアライグマのように狡猾な高官を制御することは困難になるだろう」
 情報筋によれば、その情報源は39号室の高官と旧知の仲である。39号室は、偽造、麻薬生産、保険金詐欺といった多くの非合法活動を通じて、北朝鮮の首脳部に年間5億ドルから10億ドルをもたらしている組織である。
 「彼らが39号室の資金が十分ではないという話を何度も耳にした」と情報源は述べた。そして、「北朝鮮の高官はそのことに気がついており、彼らの間ではそれ(資金不足)はもはや秘密ではない」と付け加えた。
 情報源によれば、北朝鮮の6回の核実験の内、4回が、そして20回に及ぶミサイル実験が金正恩の指導の下に行われた。
 「我々は、彼が実施したミサイル実験、核実験で相当の資金を消費したと推測している」と彼は語った。
 「核実験やミサイル実験の大部分は金正恩の裏金によっている」
 情報源によれば、兵器実験への支出の他に、平壌の黎明街や、北朝鮮の江原道のスキー・リゾート計画といった見世物としての計画にも資金が投じられている。
 しかし、核開発計画に対する北朝鮮への国際制裁は、既に経済的に苦境に陥っている北朝鮮が外貨を手に入れることを一層困難にしている。
 6回目の核実験(北朝鮮の発表では水爆実験)を行った昨年9月には、国連安全保障理事会は、加盟国に北朝鮮労働者の受け入れを禁止する決議案を可決した。そして、12月22日には、北朝鮮の労働者は2年以内に母国に帰還することを求める決議案を可決した。
 情報源がラジオフリーアジアに語ったところによれば、最後の措置は平壌にとっては金融面で大きな打撃となった。9月の国連の見積もりによれば、10万人の北朝鮮の海外労働者は、年間5億ドルを本国にもたらしている。
 「北朝鮮への国際制裁のために、外資を獲得することが極度に困難になり、裏金も尽きようとしている」と彼は述べた。
 第2の中国人の情報筋によれば、資金が枯渇しているために、北朝鮮は韓国の冬期オリンピックに参加することを決定した。それも韓国との関係改善と周辺諸国からの援助を導入するためである。
 「北朝鮮の韓国に対する温かい態度には裏の意図がある。2月9日から始まる平昌冬季オリンピックを利用して、金融面での苦境を突破することがその目的だ」というのだ。
 1990年代から2000年代にかけて、韓国は平壌に平和的関係の代価として補助金を支払っており、その間に韓国の太陽政策は、北朝鮮の経済発展に寄与したと情報源は述べている。しかし、「国際制裁があるために、金正恩体制を支援することは困難だろう」と警告している。
 「平昌オリンピックの間は関係改善が見られるだろう。しかし、韓国の対応が北朝鮮を満足させることができなければ、南北関係は決定的に悪化するだろう」と彼は述べた。
 先週、情報源が示したのは、金正恩体制は、年長者に対する養護院を建設するという基本的な計画に対する資金も不足しているということであった。金正恩北朝鮮の地方に完全な見世物としての新年の努力の一環としてこれらの施設を建設することを命じていた。しかし、労働力や建設費は地方の市民の負担とされ、彼らも資金が不足していたのである。
 物資と労働力を含めた建設費の積み立ては地域の住民によって求められていたが、北朝鮮の市民は、金正恩の業績を検証するだけにおわる計画に徐々に不満を覚えるようになっていると情報源は語っている。
 別の情報筋によれば、北朝鮮の若者は、抑圧的で制裁に打撃を受けた国家の生活状況に不満を覚えており、彼らの両親に中国との国境を越える資金を、お年玉として求めているとのことだ。」

Kim Jong Un Slush Fund ‘Running Out’ as North Korea Tests Weapons Despite Sanctions

 確かに、ロシアなどを通じて、国際的な制裁が破られているのは事実でしょう。しかし、以前よりは外貨を獲得することは困難になっているはずで、ロシアにしても無条件に北朝鮮に資金を貸し出すほど金余りでもありません。ですから、このRFAの記事のように、北朝鮮が資金的にショートしつつあることは確かでしょう。
 問題は、資金が北朝鮮の高官クラスにまで行き渡らなくなった場合です。この記事を読む限りでは、その可能性は大きいといえるでしょう。
 さらに、若者が北朝鮮の現体制に不満を持ち始めていることもこの記事から伺うことができます。総合的に考えるならば、金正恩の追い出しの確率は徐々に高まっているといえるでしょう。