金正恩は、どこに行く?
先日、白頭山に馬に乗って登る金正恩の写真が公開されていましたが、彼はいったいどこに向かおうとしているのでしょうか。
ショッキングだったのは、この朝鮮日報の記事です。
「金正恩氏「前任者の政策は大間違い」…父・金正日総書記を前例ない批判
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が金剛山の韓国側施設撤去を指示した際「前任者の依存政策は非常に間違っていた」と述べた。金正恩氏が語った「前任者」は自らの父である故・金正日(キム・ジョンイル)総書記を意味するものとみられる。
北朝鮮はこれまで金剛山観光をはじめとする南北経済協力事業について「金正日総書記の決断」と宣伝してきた。金正恩氏が自らの父の進めた金剛山観光を含む対南政策を「間違っていた」と批判したのだ。世襲政権の北朝鮮で後継者が父親を批判するのは前例のないことだ。
金正恩氏は「手っ取り早く観光地でも渡してやり、座って利益を得ようとしていた前任者らの誤った政策で、金剛山はおよそ10年間放置され傷が残った」「土地が惜しい、国力が弱いころ、南に依存しようとしていた前任者らの依存政策は大きく間違っていた」と深刻に批判したという。北朝鮮の労働新聞が23日付で報じた。労働新聞はさらに「党中央委員会の担当部署が金剛山観光地区の敷地を全て提供し、文化観光地の管理を怠り、景観に害をもたらしたことを、厳しく指摘した」とも伝えた。
北朝鮮で神格化されている金日成(キム・イルソン)主席と金総書記の政策を堂々と批判するのは想像しにくい。ところが今回は金総書記の息子であり、政治的後継者の金正恩氏が先代の政策を「対南依存的」として全面的に批判したことから、その背後の事情に注目が集まっている。
これについてかつて統一研究院の院長を務めたキム・テウ氏は「金正恩氏は父と祖父を超えてより偉大な指導者になりたいということだ」と指摘した。国家安保戦略研究院のパク・ピョングァン研究員は「金正恩氏が先代の政策を堂々と批判できるほど自信を示すことで、金正日式の対南依存型観光政策から脱却し、新たな観光政策を進めるということだろう」との見方を示した。
一部では今回の発言について「金総書記というよりも、対南政策に深く関与していた張成沢(チャン・ソンテク)氏など、金正日政権当時の政策担当者を批判した」との解釈も出ている。東国大学の高有煥(コ・ユファン)教授は「金正恩氏は実務担当者を連れていったようなので、彼らの前任者という意味かもしれない」と指摘した。」
金正恩氏「前任者の政策は大間違い」…父・金正日総書記を前例ない批判 -Chosun online 朝鮮日報
普通に考えれば、金正恩はトランプ大統領との関係が確固としたものになったので、もはや、「親父を超えた」と考えているということです。しかも、父親の代の韓国経済への依存を徹底して批判し始めているので、今後は韓国経済に依存しないことを宣言したといえます。
背景には、北の資源外交がまだ開発されていないにもかかわらず成功を収めつつあるということでしょう。それは次のような記事からも判断できます。
「スイスの組織から称賛される金正日会長、平壌、10月24日(KCNA)
白頭山の偉大な人物を称賛する国際フェスティバルのスイス組織委員会とチュチェ思想研究のためのスイスグループは、金正日会長の著作「社会主義は科学」の出版25周年にあたる10月18日に共同声明を公開した。
声明によれば、金正日は1994年11月1日に科学としての社会主義の勝利の必然性を実証する研究を発表した。
共同声明によると、この研究が発表されたのは、帝国主義者、反動主義者、社会主義の堕落勢力が「社会主義の完全な終焉」に関して大騒ぎして、社会主義の理想そのものが無効であると主張している時であった。
朝鮮社会主義の無敵性の要因と、いくつかの国における社会主義の崩壊の理由について明確な分析を行ったと声明は付け加えた。
それは、人間中心の社会主義、大衆を中心とした社会主義が最も科学的、有利かつ強力であると主張し、その科学的正確さと真実のために、社会主義は必ず勝利するだろうとさらに付け加えていた。
この研究を通して、彼は優れた思想家であり理論家であり、社会主義の大義を成し遂げた偉大な教師であることをよく知ることができると声明は述べている。」
http://www.kcna.co.jp/item/2019/201910/news24/20191024-03ee.html
この記事でのスイスグループなどはその実態が明らかではありません。しかし、スイスが北朝鮮の背後にいることはこれまでに何度も指摘してきました。我々が考える以上に、北朝鮮を支える意思がある国家は多いということなのでしょう。
その観点から、韓国を見れば、現在も韓国に対する工作は継続しており、その工作の目的は韓国に無謀な外交政策をとらせることで韓国とアメリカの同盟を破棄させ、経済的に破滅したところで、北朝鮮が韓国を回収するということにあると考えられます。
文在寅のような人物を大統領に選んだ段階でその滅亡は約束されていたというべきでしょう。