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銀行株は全部売り!

 

世界大恐慌 1929年に何がおこったか (講談社学術文庫)

 理論上は存続できることになっているはずですが、やはりドイツ銀行が倒産する可能性は高いのではないでしょうか。

 「 ドイツ銀行の株価が15日、フランクフルト市場で再び最安値を更新した。しかしこれは同行だけの問題ではない。欧州の銀行株では同じくドイツのコメルツ銀行も同日に上場来安値となったほか、スペインのバンキア、イタリアのウニクレディトなども過去最低付近で推移している。
 浮き彫りになるのは、政策金利見通しの反転に伴う影響の深刻さだ。最近まで金利正常化に向かうと思われていた欧州中央銀行(ECB)は、マイナス金利をさらに引き下げる方針のもようで、欧州銀の失われた10年は無期限に続く恐れがある。金融危機後に相場が底打ちすると、米銀株は7倍近くに上昇してきたが、欧州銀の株価は停滞している。
 過去の不祥事に絡む巨額コスト、金融危機後の欧州当局の対応の遅さで不良債権処理が進まなかった状況、銀行同盟が完了せず業界再編が困難なほか、政府と銀行の負の連鎖を断ち切ることもできないなど、欧州銀の不調の原因は多いが、マイナス金利の深掘りはこうした逆風を増幅させる。
 銀行株は今年の欧州市場でパフォーマンスが業種別で最悪。ドイツ銀株は15日、2.7%安で終了。コメルツ銀株は1.9%安だった。 」

 景気減速が明白になった以上、トランプ大統領でなくても金利を下げたいとどの中央銀行も考えていることでしょう。ECBも例外ではありません。むしろ、低金利を含めた金融緩和を継続する意思を表明しています。

 しかし、これは逆の視点から考えれば、銀行は高金利で収益を上げる可能性は、今後数年間は、期待できないということであり、さらに言えば、その状態がさらに継続する可能性も生まれているということでしょう。つまり、銀行にとって貸し出して金利をとるというまっとうな活動が大きく制限されることになるということです。

 これは何も、ドイツ銀行に限った話ではなく、特に日本の地方銀行信用組合などにも当てはまることです。日本でも金融界の再編は続くでしょうが、ドイツの場合は、ドイツ銀行コメルツ銀行もかなり危うい状態に陥ることが予想できます。