FirstHedge 明日の投資情報

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ドイツ銀行がなぜ危ないのか

金融で読み解く次の世界

 ここは渡辺先生の所説を紹介。

  詳しくは下のリンクをご覧いただきたいのですが、ドイツ銀行が危ないのは、リーマンショックをまだ乗り切っていない点にあります。

 「ドイツ銀危機の背景には、ヨーロッパの金融機関が抱える構造的な問題が潜んでいる。リーマン・ショック直後の2008年10月、ヨーロッパの金融機関は会計基準の変更を行った。保有する債権を「満期目的」と「その他」に再分類し、「満期目的」については所得原価をベースに資産計上ができるようにした。ドイツ銀は約8億4500万ユーロに上る評価損を約8億2500万ユーロの黒字(08年第3四半期の税引き前)に転換させた。この会計のマジックによって黒字化したドイツ銀は経営を大きく誤ってしまったのである。
 リーマン・ショック後、英米の金融機関は経営危機対応と金融当局の指導により、積極的な資産の売却とハイリスク部門からの撤退を進めた。これを買い進め、投資銀行部門を拡大させたのがドイツ銀だった。その後、欧州でもギリシャ危機などソブリンショックが発生、15年に中国の株価が暴落したことで、この問題が表面化してしまったのである。」

【高論卓説】信用不安が広がるドイツ銀行 共存の大株主・中国企業も経営危機 - SankeiBiz(サンケイビズ)

 つまり、ヨーロッパの会計基準の変更によって、不良資産の隠ぺいに成功し、さらには米英系の金融機関の不良債権まで積極的に買いあさったために、ドイツ銀行が危機に陥ったというストーリーです。

 16年当時の中国初の不景気は、ドイツ銀行の根元を直撃することになりました。そこから、危機は始まっているのです。

 ドイツ銀行は、デリバティブなどで相当の不良債権を抱えていると考えられますが、これが、中国・ドイツ発の大不況で、想像もしなかったほどの打撃を受けることになります。

 さすがの中国経済も減速し始めているのですから、今度ばかりは逃げられないでしょう。