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英国王室がロンドンを脱出する日

BREXIT 「民衆の反逆」から見る英国のEU離脱――緊縮政策・移民問題・欧州危機

 今のところ、Brexitに関しては騒ぎが落ち着いてきたようにも見えます。しかし、英国王室が動くとなれば話は別でしょう。

 「 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が3月29日に迫る中、英当局者らは合意なき離脱となって暴動が発生した場合に備え、冷戦時代の王室避難計画を復活させている。日曜紙2紙が報じた。
 サンデー・タイムズ紙は政府筋の発言として、「こうした緊急避難計画は冷戦期以来存在しているが、現在は合意なき離脱に伴う社会混乱に備えて再構築されている」と伝えた。
 メール・オン・サンデー紙も、エリザベス女王(92)を含む王室をロンドンから別の安全な場所に避難させる計画の存在を把握していると報じた。
 業界団体などは、新しい税関検査体制のためEUからの輸入が大幅に遅延すれば広範囲な混乱が発生し、食料や医薬品が不足する恐れもあると警告している。
 ブレグジットの強い支持者で保守派のリース=モグ議員は、メール・オン・サンデーに対し、第二次大戦中には「シニアロイヤル」と呼ばれる王室メンバーも爆撃の中ロンドンに残っていたと指摘して、今回の避難計画は当局者らによる合意なきブレグジットに対する不要なパニックを露呈したとの考えを示した。
 一方、サンデー・タイムズ紙は、元王室警護担当者の発言として、「ロンドンで問題が発生すれば、王室を避難させるのは明白」と伝えた。」

英ブレグジット、暴動に備え冷戦期の王室避難計画が復活=新聞 | ロイター

 毎度おなじみリース・モグ議員ですが、第二次大戦中は英国民が一致団結していました。今回は、移民などが暴動を起こせば、現在の機構では抑えきれないという冷徹な判断があるとみるべきでしょう。

 ですから、英国王室はBrexitにおける混乱を決して楽観視していないという点は押さえておくべきだと思うのです。最近でこそ、このまま離脱が先送りになるのではという観測から、もしくは離脱がなくなるのではという推測から、ポンドの水準も落ち着いてます。しかし、英国側の修正案をEUサイドが受け入れる保証は何もありません。バックストップについても何も決まっていないというのが現状です。

 このままいけば、3月末までに、まだまだ大きな波乱がみられるでしょう。