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韓国経済の苦境

少女時代(GIRLS'GENERATION) 2nd Mini Album - Genie(韓国盤)

 韓国のウォンも徐々に下落していますが、まだパニックというわけではアリアませんね。今回の米中の貿易交渉、それにFRB金利上昇停止もすべてはリセッションに突入している世界経済を懸念してのものでしょう。どの程度、危機に近づいているのかを韓国経済の観点から検証することにしましょう。

 「 今年1月の韓国の輸出が前年同月比5.8%減少した。昨年12月(1.3%減)に続いて2カ月連続のマイナスだ。輸出が2カ月連続で減少したのは2016年9、10月以来。半導体価格と原油価格が下落したうえ、米中貿易紛争の影響などで対中国輸出が減少する「三重苦」のためと考えられる。
  関税庁と産業通商資源部によると、1月の輸出は463億5000万ドルで前年同月比5.8%減、輸入は450億2000万ドルで同比1.7%減だった。貿易黒字は13億4000万ドル。84カ月連続の黒字だ。
 1月の輸出不振は米中通商紛争、ノーディル・ブレグジットなど通商環境の悪化のほか、▼半導体単価の下落▼国際原油価格の下落▼中国景気の鈍化--など、対外要因が複合的に作用したという評価だ。産業部は1月の輸出不振について、半導体石油化学・石油製品など韓国の輸出主力品目の単価下落のためと説明した。産業部のチョ・イクノ輸出入課長は「輸出量は増加傾向(8.4%)だが、輸出単価が前年同月比13.1%下落し、全体の輸出減少に影響を与えた」と説明した。
 1月の半導体輸出は74億2000万ドルで、前年同月比23.3%減少した。半導体輸出は昨年9月の最高実績(124億3000万ドル、28.3%)から減少傾向だ。
 半導体価格の下落の影響が大きかった。DRAM(8Gb)価格は前年同月比36.5%、NAND型フラッシュメモリー(128Gb)は22.4%下落した。産業部関係者は「昨年下半期からグローバルIT企業の購買延期・在庫調整などによる価格下落の影響で半導体価格が落ちた」と分析した。 (中略)

 石油製品の輸出(34億7000万ドル)も4.8%減、石油化学(39億8000万ドル)も5.3%減となった。昨年10月から始まった国際原油価格の急激な下落が石油製品・石油化学品目の輸出単価に影響を及ぼした。1月の原油価格は前年同月比10.7%下落した。産業部関係者は「半導体価格と原油価格の回復が予想される今年下半期には輸出が改善すると期待する」と述べた。
 もう一つの伏兵は中国だ。1月の対中国輸出は108億3000万ドルと、前年同月比の減少幅は19.1%だった。韓国の最大輸出国(2018年基準で輸出比率26.8%)である中国の成長鈍化などの影響で3カ月連続で輸出が減少している。1月の対中国輸出は船舶・コンピューターを除いて多くの品目が振るわず、特に半導体・石油製品・石油化学が大幅に減少した。
 1月の対ASEAN輸出は88億7000万ドルで、前年同月比6.4%増えた。年末・旧正月を控えた電子製品の大規模割引イベントのためコンピューターの輸出が増えたほか、韓国自動車企業の電気自動車輸出増大などで対ASEAN輸出は4カ月連続で増加した。
 しかし韓国の主要輸出国のベトナムの場合、1月の輸出は40億3000万ドルと、前年同月比5.8%減少した。ベトナムスマートフォン市場の成長が鈍化して半導体の需要が減ったうえ、ベトナムで中国産織物の使用が増えたことで韓国の繊維輸出も打撃を受けた。韓国産無線通信機器製品の輸出も不振だった。
産業部は一部の新輸出成長動力品目の輸出は善戦したと評価した。二次電池の場合、自動車企業の電気自動車用バッテリー納品(EU・米国など)が増え、再生可能エネルギーと連係したエネルギー貯蔵システム(ESS)市場の活性化で1月の輸出が14.5%増加した。プラスチック製品の場合、中国・米国を中心にプラスチック(床・壁)内装材および二次電池用製品の輸出が増え、13.9%増加した。
 家具の輸出が34.4%増加した点も目を引く。ASEAN独立国家共同体(CIS)地域の消費市場が急成長し、椅子や机など事務用品の輸出好調が続いた。」

https://japanese.joins.com/article/821/249821.html?

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 半導体に関しては、5Gの時代ですから、いずれデータセンター向けに需要は復活するでしょう。しかし、バルチック指数をみるまでもなく、物流が細っていることは見てとることができます。特に中国関連の貿易の落ち込みが大きいですね。マーケット的な観点でいえば、これだけひどいのだから、北京政府は必ず何らかの対抗策を打ち出すはずという見方から、資源国通貨が買われているわけですが、中国だけでなく、ヨーロッパ、とりわけドイツ銀行が危ないのは周知の事実です。

 あとは、どこが引き金を引くのか、椅子取り競争のようなハラハラする事態になりそうですね。