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英国対EUのチキンゲーム

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 11月ももはや終盤。もうすぐクリスマスですね。英国はといえばEU離脱交渉が終盤を迎えています。

 「 英国が2016年の国民投票でEU離脱を決めてから2年余り。英国がどう離脱し、離脱後の英EU関係はどうなるのか。世界が注視してきた「合意」が25日、EUに承認された。
 それによると、20年末までは、英国をEU単一市場に残留させる「移行期間」が設けられる。また、将来的には英EUが「包括的な自由貿易圏」を目指すとしている。
  英議会ではしかし、与党・保守党の強硬離脱派も、残留派の一部も、この離脱案に強く反発している。現時点では、議会で過半数の承認を得るのが難しそうだ。
  「企業は日々変わる情報にきりきり舞いさせられ、先が見えない恐怖にさいなまれている」。みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「万が一に備えるしかない」と語る。
 英仏間のドーバー海峡を渡るユーロトンネル(約50キロ)。1994年に開通したこのトンネルを、通常、片道だけで1日5千台のトラックが通り抜ける
 通行は自由で、通関施設はない。自動車部品、電子機器、薬品、食品…。あらゆるモノが、このトンネルを通って英国とEUを行き来する。
 「ユーロトンネルは、時計のようにたゆみなく動く経済の歯車なのです」。トンネルを運営するゲット・リンク社のジョン・キーフ広報部長は話す。
 その「歯車」が止まってしまう不安を、多くのトンネル利用者や運営関係者が抱いている。英離脱の「合意」が成立しない場合、モノが自由に動いていた英・EU間に来年3月、関税の「壁」が現れるためだ。
 「仮に税関で2分足止めされただけで、約27キロの渋滞ができる」。英国側の港湾当局はこう見ている。英国側では、高速道路の一部車線をつぶし、トラック約2千台が待機できるトラックパークを建設する計画が出ている
 「物流の寸断」で大きな影響を受けるのが自動車業界だ。英中部バーナストンに工場を持つトヨタ自動車の社員は「部品の納入が遅れると、すぐに工場の生産停止も検討せざるを得ない」と苦い表情で話す。
 トヨタは17年、バーナストン工場で小型車「オーリス」など約14万4千台を生産し、およそ9割をEUに輸出した。同工場では在庫コストの削減を狙い、4時間製造する分の部品しか持たない。工場には毎日約50台のトラックが、EU側から部品を運搬してくる。
 英国ではネット通販「アマゾン」の当日配送サービスが大人気だが、このサービスも難しくなる。欧州大陸側の倉庫から運ばれる商品も多いためだ。
 ドイツ経済研究所(IW)は「合意なき離脱」となった場合について、10月9日発表の報告書でこう試算している。
 関税負担は英国側で年約51億ユーロ(約6554億円)、EU側で年約105億ユーロ。英国にとってEUで最大の貿易相手国、ドイツの負担は約33億ユーロに上る。むろん影響が世界経済に及ぶのは避けられない。
 英EU離脱 英国では主権の回復や移民流入の抑制を求める声が強まり、2016年6月の国民投票でEUからの離脱方針が決まった。離脱方法や離脱後の英EU関係に関する交渉の期間は、英国が離脱方針をEUに通知した17年3月から2年間。延長されなければ、19年3月に離脱する。英EUの合意では、衝撃を緩和するため、20年末までは英国をEUの単一市場・関税同盟にとどまらせる「移行期間」を設定。しかし、合意が英議会で承認されない場合には移行期間も白紙になり、来年3月に「合意なき離脱」の大混乱が起きる恐れがある。

【最終章 EU離脱】(1)関税の「壁」が物流を寸断 先の見えない不安に疲弊(1/4ページ) - 産経ニュース

 この記事を読んで、ハードブレクジットの方が有利に見えるのは気のせいでしょうか。関税負担だけとってみても、英国側の負担が51億ユーロであるのに対し、EU側は105億ユーロです。むしろ、EU側の方が負担が重くなります。それ以外にも、北アイルランドの国境問題、ジブラルタルの問題、英国領海での漁業権の問題など、文字通り問題が山積しています。

 これを英国議会で逐一検討するにはもう時間切れでしょう。むしろ、合意抜きでEUから離脱し、そのあとで改めて交渉した方が英国にとって有利なのは明らかです。

 英国が狙っているのは、経済、とりわけ金融面での大陸との関係を従来と同じにすることでしょう。法律の管轄権の問題もありますが、従来通り営業できるということになれば、そしてEUへの冥加金がなくなるとなれば、ほとんど何の問題もありません。トンネルの問題も、若干のチェックも必要になるでしょうが、それは自動車企業が若干在庫を増やせばよいだけの話です。4時間分の在庫しかないというのが、実は不健全なのです。ただでさえ、自然災害でサプライチェーンが途切れる事例が日本国内でも相次いでいます。

 むしろ、英国がEUの法規制を逃れて自由化を進めるという方向性も垣間見えます。そうなると資本も人も再び英国に集まることでしょう。

 こう考えるならば、メイ首相のまま、ずるずる交渉を引き延ばし、3月末できれいさっぱりEUとお別れするのが英子kにとっていかに有利かは明白でしょう。

 むしろ、英国のEU離脱後の対応を早急にまとめなければならないのはドイツ、それにフランスであるに違いありません。