プーチンは友達が少ない!
選挙には勝ってみたものの、今回の当選を心から祝ってくれる国は少なそうです。
英国との間では、元GRU職員の毒殺事件で外交官の追放の応酬となっています。ワシントンでも、相変わらずロシアの評判はただ下がりです。
産経新聞からです。
「トランプ米大統領は20日、ホワイトハウスで記者団に対し、ロシアのプーチン大統領と「そう遠くない将来」に直接会談して米露の「軍拡競争」について話し合う意向を表明した。米露の核軍備管理をめぐっては2011年に発効した新戦略兵器削減条約(新START)が21年に失効する。両首脳は会談で、新たな核軍縮交渉入りを視野に協議する可能性がある。
トランプ氏は、プーチン氏と同日電話会談したことを明らかにした上で、「軍拡競争は手に負えない状態になっている」と述べ、ロシアと核軍縮について話し合う必要性を強調した。(以下略)」
米露首脳が直接会談の意向 核軍縮に向けて協議へ(1/2ページ) - 産経ニュース
アメリカのメディアでは、トランプ大統領がプーチン大統領に祝福の電話を掛けただけで批判しています。マケイン上院議員も同様。
確かに今回の選挙も多くの不正行為が行われたのでしょう。それでも、投票を行うだけまだマシという見方も出来ます。肝心の中国には選挙という制度すらないのですから。
アメリカと中国が対決する際に、ロシアがどちらの側につくかというのは非常に重要な問題です。せめて中立を保ってくれれば良いのですが、中国側につかれたら日米の連合軍は極めて厳しい立場に立たされるでしょう。
仮にアメリカが朝鮮半島から撤退するとしても、逆に日本だけは絶対に守り抜こうとするでしょう。しかし、ロシアまでもが日米に敵対することになれば、計算は根本から変わってきます。日本を守るにしても、かなり苦戦することになる筈です。
ですから、少なくともトランプ大統領の胸の内では、ロシアとは協力的な関係を継続したいのです。それが、こうした発表につながっています。
一般にペンタゴンは,これまでの対ロ敵視政策の影響が色濃く残っており、次の戦争のことまで十分に頭が回っていないのです。マクマスター補佐官などはその代表例でしょう。
また、核軍縮でもロシアの協力が必要です。ロシアは近年、同条約や中距離核戦力(INF)全廃条約の制約をかいくぐる形で戦術核を拡充しています。
また、トランプ政権も今年2月には、「核戦力体制の見直し」(NPR)を発表しています。この新たな核戦略によれば、ロシアの戦術核の先制使用を抑止するために、「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の一部を小型核として運用」「水上発射型巡航ミサイル(SLCM)の再配備」といった新たな方針が採用されています。
このままではあらぬ方向に軍拡競争がエスカレートするので、それを回避するためにもロシアとのコンタクトは必要になるのです。
結局のところ、トランプ大統領にとっては、中東問題の解決とアジア情勢での協力、それに核軍縮の3点でロシアの力を必要としています。アメリカの国内の世論は紛糾するでしょうが、トランプ政権の対ロ接近は当分続くでしょう。