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人民元のショートが可能に!

 その政策変更は先週の金曜日に突然発表されました。中国の中央銀行である中国人民銀行(PBOC)が、為替取引に課していた20%の証拠金を廃止するというのです。この政策変更は、月曜日すなわち今日から発効するとのことです(まだ未確認ですが)。
 2015年10月から、銀行、ファンド、その他の金融機関は先月の販売額の20%を証拠金として確保することが求められてきました。これは人民元に対する投機を防ぐことを目的にした措置でした。その結果、PBOCはトレーダーを、特に売り手を罰することになりました。FXのポジションに法外な担保(証拠金)を要求したためです。このことにより、長期的に人民元を売るというトレードが不可能になりました。
 それが、先週末にすべて変化してしまったのです。PBOCは、これまであらゆる手段を使って弾圧してきたFXトレーダーに人民元のショートを許可するようになったのです。
 この政策転換の背景は単純なものです。それは、ここ数週間で、オンショア、オフショアいずれにおいても、人民元が強くなりすぎたためです。先週は、ドルは6.5ドルをわずかに上回っていましたが、木曜日には、21日の最高値である6.4470を上回ったようなのです。そこで北京も、高い人民元が輸出に与える影響力を懸念し始めたというわけです。このところのドルの下落に耐えられなくなったという見方も可能でしょう。なにより、10月18日の中国共産党全国大会までは何があっても不測の事態は避けなければなりません。習近平は昨年のように株価や通貨が乱高下するのを回避したいのでしょう。おそらくは自らの権力をより絶対的なものにするために。
 このところ、人民元を自由にドルに転換できないという話も聞いていましたので、中国進出企業にとっては朗報でしょう。
 しかし、最後に付け加えるならば、人民元がさらに上昇するという可能性を中国当局は考慮に入れなかったのでしょうか(爆)!今後が楽しみです。