FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

継続する米ロ対立とプーチンの蹉跌

 冷戦の敗北から立ち上がったロシアが、プーチンの下で現在の国際的地位を築き上げたことは違いありません。オバマ政権時代には、ウクライナへの介入に苦慮し、一気にクリミア・東ウクライナ併合へと動いたことはよく知られています。その際の非正規戦争の手法、SNSを用いた世論工作などが逆にアメリカ・ヨーロッパ諸国を警戒させ、ロシアにとっては実に厳しい経済制裁を被ったことも事実です。今のところ、天下無双に見えるプーチンの弱点を考えてみます。

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接近するインドとイスラエル

 イスラエルの最大の仮想敵国は,現在の所、イランです。そのイランに核・ミサイルに関する技術支援を行ってきたのが北朝鮮ですね。イランに関しては「一帯一路」の一つの経路にもなっています。とするなら、イランと深い関わりを持つ,あるいは持ちそうな国は、イスラエルにとっても仮想敵国に準じるといえるでしょう。

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トランプ大統領の変節

 アメリカの情報機関の元高官も述べているように、ロシアにうまく遊ばれたといういんしょうもありますが、ほんとうのところは、プーチン大統領から北朝鮮に関する情報を耳にしたのでしょう。

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いずれ裏切る韓国よ、さようなら

 トランプ大統領も、(おそらくはダメ元で)日米韓の三国同盟という話を文在寅に提案したはずですが、韓国はそれを話が出た翌日には拒絶しました。韓国はもはや友邦国ともいえない(とっくの昔からそうだという見方もありますが)ということだとおもいます。

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姿を現す四カ国同盟

 インドはもう完全にやる気です。インドのメディアは現在、インド、米国、日本、オーストラリアの四カ国同盟の話で持ちきりです。興味深いことに、日本や米国よりもこの同盟関係が議論されています。現在のインドの沸点は低いとはいえるでしょう。それがどのような形で引火するかはまだ不明ですが。

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サウジアラビアの人脈相関図

 今回のサウジアラビアでの政変の規模が大きくなってきたことは次の系統図を見てもわかります。Middle East Eyeから引用します。

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 この図からも明らかな通り、バンダル王子は先々代の王と先代の王に仕えていた際宇治の外交・インテリジェンス畑の人です。政権から退いたのは「アラブの春」が失敗したためです。

 本来であれば、カタールと組んでシリアをスンニ化する予定でした。しかし、今は名前を変えましたがヌスラ戦線とかアルカイダといった西側諸国が耳にすれば拒絶反応を起こしそうな駒しか持ち合わせていませんでした。しかも、統一がとれていないというおまけ付きです。イスラム国(旧イラク軍情報機関関係者が創設した)も、途中から暴走を始めましたし、何も生まないまま終わりを迎えました。

 これが、サウジの王室の代替わりと共に総入れ替えになったのです。今回のサルマン皇太子の改革で、サウジの外交方針も大きく変化しました。それはイスラエルに対する敵視政策の撤回と対イラン同盟関係の樹立です。これまでは、常にアメリカの陰に隠れていましたが、スンニ派の大国サウジがついに正面切ってイスラエルと共にイランに対峙することになったのです。

 したがって、中東で戦争が勃発するとすれば、アメリカ・イスラエル・エジプト・サウジアラビアなど湾岸諸国VSイラン・レバノンヒズボラ)・ロシアという対抗軸になります。ただ、ロシアは中東で本格的にアメリカと対峙する意欲はなさそうなので、米ロの対決が深刻化することはなさそうです。

 そして、この対立の図式でジョーカーとなるのがトルコでしょう。トルコはドイツとの関係が破談し、しかもアメリカとの関係も、ビザ発行停止問題などで急速に悪化しています。関係が良好なのは今のところ、ロシアだけです。トルコがイランに対峙するのかどうかで、大きく対立の構図は変化するでしょう。

 全体的に見れば、イラク戦、アラブの春と負け続けのアメリカが着実に中東での影響力を失っているというところでしょうか。これに対して、今度はイスラエルを巻き込む形で反撃に出たとみることもできます。