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中東戦争と東アジア戦域の連動

 

南シナ海が“中国海”になる日 中国海洋覇権の野望 (講談社+α文庫)

 ついにこの日がやってきたという感じがあります。

 「 イランが米国による石油輸出の妨害に対抗するため、同様に制裁を受ける中国やベネズエラに接近している。複数の報道によると、イランは中国に石油を安価で輸出し、かわりにインフラ投資を得る25年間の協定を結ぶ計画ベネズエラにはガソリンを供給し「反米経済圏」の構築を狙う。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は22日までに、中国とイランの協定案を入手したと報じた。イランの港湾、高速鉄道、次世代通信規格「5G」を含むインフラ整備などに中国側が25年間で4000億ドル(約43兆円)相当を投資する。中国はイランを広域経済圏構想「一帯一路」の重要なパートナーとして位置づけている。
 協定案は両国軍の合同訓練、兵器開発、情報共有などの協力を深めることも盛り込んでいる。中東における中国の影響力拡大につながる。
 同紙の取材に応じたイラン高官によれば、中国は見返りにイラン産の石油を安価で得る。米国は2018年にイランの核開発を抑制する多国間合意からの離脱を表明。イランに石油の全面輸出禁止を含む制裁を科したが、イランは中国を含む一部の国に輸出を続けているとみられる。
 協定が実際に結ばれればイランの主権を侵害しかねない。イランのメディアは、協定が同国沖のキーシュ島のリースを含むと報じた。対外強硬派のアフマディネジャド前大統領は「協定を拒むべきだ」と主張した。
 イランのザリフ外相は16日、イラン議会通信社(ICANA)のインタビューでキーシュ島をめぐる報道を「事実ではない」としつつも「交渉途中だが、協定について議会に隠匿することは決してない」と述べ、協定を巡り中国側と話し合っている事実を認めた。
 イランは産油国ベネズエラマドゥロ大統領の反米左派政権とも関係を深める。ロイター通信などによると5月以降、イランのタンカー5隻がベネズエラに計150万バレルのガソリンを運んだ。ベネズエラも米国に石油輸出を規制され、外貨不足で国内の製油施設が十分に稼働できていない。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、イランがベネズエラに精製技術を提供するかわりに、同国の中央銀行から数億ドル相当の価値の金塊を受け取ったと報じた。
 米国はベネズエラにガソリンを輸送したイランのタンカーの船長を制裁対象に加えた。一方、イラン外務省報道官は「不法な制裁に断固として立ち向かう」と表明。反米諸国との様々な取引を停止する気配はない。」

イラン「反米経済圏」で制裁対抗 中国に25年原油供給も (写真=ロイター) :日本経済新聞

 このニュースで、改めて中国はイスラエルの敵ということになりました。これで、イスラエルもこれまでのように中国に肩入れすることは難しくなったでしょう。いくら中国がイランから原油を輸入しようとしてもシーレーンを封鎖されれば、あまり効果がないということになります。

重要なのは、中東情勢に中国が積極的に関与する可能性が高まったということでしょう。中東と極東がリンケージで結ばれたことになります。つまり極東での戦争が中東戦争の火種になる、もしくはその逆が生じることが確定したということです。まさしく目次六の時代が始まったという感じです。