FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

アメリカの先制攻撃はあるのか?

トラ・トラ・トラ! 製作四十五周年記念版 スチールブック仕様 ブルーレイ (2,500セット完全数量限定) [Blu-ray]

 米中関係がここまで悪化すると、気になるのはいつ戦争が始まるかということでしょう。

  ここにきてアメリカが先に手を出すのではないかという主張です。そう主張するのが、『週刊現代』特別編集委員の近藤大介氏です。たしかに、ポンペオ演説は、開戦の狼煙に見えないこともありません。

 しかし、ここで重要なことは、肝心のトランプ大統領が先制攻撃に同意するかという

ことです。一旦戦争になれば、米中限らず相当の日とが死ぬことになります。注意深くトランプ大統領の言動をチェックすれば、トランプ大統領が決して戦争を起こしたがっているわけではない、むしろ中国と取引して、再選を確実に使用としたということが、ボルトンの暴露本によって明らかになりました。もし本気で戦争を望むのであれば、中国の所有する米国債を没収すれば良いのです。あるいは香港ドルのペッグ制を強引に壊滅させれば良いのです。それをしないのは、トランプ大統領は、財界からの要求もあるのでしょうが、結局の所、本気で中国と戦争することには極めて消極的なのです。

 もう一つ理由を挙げれば、アメリカの戦争の方法の伝統というものがあります。それは最初の一撃は相手に撃たせる、あるいはいかにも相手が先に撃ったような状況を作り出すということがあります。日米開戦時も日本に先に真珠湾を奇襲させています。しかし、虎の子の空母艦隊はハワイにいなかった。それはアメリカのというかワシントンは真珠湾奇襲を知っていたからですね。巧妙に隠されてはいますが、そのうちとんでもない資料が出てくると思いますよ。気になる方は下の本をご覧になってください。

そのとき、空母はいなかった 検証パールハーバー (文藝春秋企画出版)

 もう一つ例を挙げましょうか。1898年のアメリカ・スペイン戦争です。

アメリカはキューバ人のスペインからの独立運動に同情的だったのですが、1898年2月、キューバハバナに停泊中のアメリカ軍艦メイン号が謎の爆撃事件をおこし、多数の乗組員が死亡すると、アメリカのハースト系の新聞が証拠もないのにスペインの陰謀だと国民世論をあおり、4月にアメリカ=スペイン戦争が勃発したのです。とにかく戦争を始める時は「自分が先にやられた」という形を取るのです。

 武漢ウィルスの被害者を中国による被害と考えるならば、開戦は十分可能ですが、少し無理があるような気がします。やはりアメリカの軍艦なり飛行機が被害を受けなければ、国論を統一して戦争するのは困難でしょう。肝心の大統領が戦争嫌いなのですから、アメリカから開戦するのは非常に困難でしょう。

 では、中国から開戦する可能性はあるのでしょうか。現段階では、50%以下でしょう。というのも、現段階で正面衝突すれば、「中国が確実に敗北する」と言う認識が人民解放軍内部にあるためです。中国国内の世論も「アメリカと戦争を!」と言う声は驚くほど少ないのです。中共が戦争に舵を切っていれば、すぐにでも中国国内が「アメリカと戦争を!」と言う声で埋め尽くされることでしょう。

 ただ偶発的に戦闘が始まる可能性はゼロではないでしょう。「ひょっとしたら戦争」という状態が大統領選の決着がつくまで継続することでしょう。