成都のアメリカ領事館閉鎖
米中対立が交渉によって無事解決する可能性はますます低くなってきました。
「 中国外務省は、24日午前に米国大使館に対し、四川省成都市にある総領事館の閉鎖を通知したと発表した。米政府が今週、テキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じたことへの対抗措置となる。
中国はヒューストンの中国総領事館閉鎖に反発し対抗措置を取ると表明していた
中国外務省は声明で「米国の措置は国際法や国際関係の基本的規範、ならびに中米領事協定への深刻な違反であり、中米関係に重大な損害をもたらした」と非難した。
その上で「中国外務省は、在中米国大使館に、成都市での総領事館設置及び業務の承認を撤回する決定を通知した」と表明、同総領事館のすべての業務と行事の停止に関する要求を行ったとした。
中国外務省の汪文斌報道官は24日の会見で、成都の米総領事館の職員らが身分不相応な行動をし、中国の内政問題に介入し、中国の安全保障を損ねたと述べた。ただ具体的な説明はなかった。
中国共産党系メディア、環球時報の胡錫進編集長は、中国が米国側に72時間以内の閉鎖を通知したとツイッターに投稿した。
胡氏によると、閉鎖は現地時間24日午前10時(日本時間午前11時)に通知されたという。ここから72時間以内とすれば、現地時間27日午前10時までの閉鎖を意味する。」
中国、成都の米国総領事館の閉鎖を命令 米に対抗措置 - ロイター
目には目をという復讐劇の始まりです。これで中国のアメリカでの領事館がさらに閉鎖される可能性が高くなってきました。
閉鎖するのは武漢の米領事館でもよかったはずですが、新型コロナによって、ほぼ機能していない状態らしいので、中国側がより打撃になるようにと成都の領事館を選んだのでしょう。成都は中国でも内陸に位置し、チベットや新疆ウイグル地区とも距離が近いので、情報収集の出先としては有利な場所にありました。また、中国の核ミサイル施設は四川省に集中しているので、その意味でも重要な情報収集拠点であったといえます。これでアメリカもさらに中国の領事館を閉鎖する口実を手にしたわけで、どんどん米中関係は悪化していくでしょう。