法王フランシスコはカトリックを崩壊させるだろう
宗教指導者としてしてはいけないこともあると思います。逆に宗教指導者だから、その枠を越えて活動しなければならない場合もあります。フランシスコ法王は残念ながら全社のようです。
「 率直な物言いで知られ、かつて香港で司教職を務めたジョセフ・ゼン(Joseph Zen)枢機卿は25日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis)が中国政府と歴史的合意に達したことについて、法王は中国の体制を理解していないと批判し、この合意は中国における「真の教会の消滅」につながる恐れがあると警鐘を鳴らした。
中国国内の推定1200万人のカトリック教徒は、「家庭教会」や「地下教会」と呼ばれる、バチカンに忠誠を誓う非公認の教会に通う信者と、共産党が聖職者を選任する政府公認の教会を訪れる信者とに分かれている。
バチカンと中国は1951年以来、外交関係を結んでいないが、中国国内での司教任命をめぐる先月の合意により、関係回復への道が開かれた。またフランシス法王は合意の一環として、中国によって任命された司教7人を承認した。
だが、この歴史的合意についてゼン枢機卿は、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)国際版への寄稿で、法王は中国に対して譲歩し過ぎてしまい、合意の結果、中国政府によってカトリック教徒が迫害される下地がつくられたと批判。「合意は実のところ、中国における真の教会の消滅に向けた大きなステップだ」と主張した。
さらに「私が風刺漫画家なら、法王がひざまずき、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に天国の鍵を差し出して、『どうか私を法王として認めてください』と言っている絵を描くだろう」との見解を披露した。
また法王はアルゼンチン出身であるため、「共産主義について生来、楽観的な考えを持っている」とも指摘し、その結果、中国を統治する共産党に信を置くという過ちに至ったと述べるとともに、「中国の共産主義者がそうであるように、彼らは一度権力の座に就いたら迫害者になるということを知らないのだ」とも主張している。」
フランシスコ法王を枢機卿が批判、中国との合意で真の教会が「消滅」の恐れ 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
今回の武漢肺炎で中国との密なつき合いがとんでもない災いをもたらすことが明らかになったはずですが、ローマ法王は気にしないようです。
そもそも聖職者叙任権は、ローマ教会の歴史では常に権力との抗争の原因でした。教皇権が強い時には世俗の君主も黙らせることが出来ました(カノッサの屈辱)。しかし、周辺の国家の方が政治力が強ければ、法王庁そのものが移転させられました。(アビニョン捕囚)聖職者叙任権こそは、ローマカトリックの礎であるはずです。それをよりにもよって中国共産党に譲り渡してしまうとは、一体どうなっているのでしょうか。これでは法王自らがカトリックという制度を否定したと思われても仕方がないでしょう。
もう一つ指摘しておかねばならないのは、ロシア・ソビエト体制を崩壊に導いたのはカトリックの貢献が大きかった。特にヨハネパウロ二世は自信がポーランド出身と言うこともあり、ポーランドの自主労組「連帯」への背面からの支援を惜しみませんでした。ウイグルでの状況を知っていれば、現行の中国の体制と手を結ぶことは、まさしく悪魔と手を結ぶことに等しいでしょう。ナチスドイツもその崩壊時に要人を南米に脱出させたのはバチカンでしたが、今回はその程度では済みません。無実の人たちが収容所に入れられ苦しめられているのに、それを見逃すのは宗教指導者にとって禁忌ではないでしょうか。それをいうならば、イスラム今日を信奉する国家群からは中国を露骨に非難する声はほとんど聞こえてきません。イスラム国の時はあんなに盛り上がったのに、いざ相手が大国であると腰が引けてしまうのでしょうか。政治指導者には期待が出来ないとしても、イスラムの律法学者が非難の声をほとんど誰も上げないのは異常でしょう。しかし、逆に中国国内のテロか増えるのかも知れませんが。いずれにせよカトリックはもうおしまいです。その存在意義を既に失ってしまったように見えます。