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コロナよりひどいアメリカ暴動

デトロイト(吹替版)

 習近平にとってさぞかし飯ウマな状態なのでしょう。しかし、これでアメリカには中国を恨む理由が一つ増えたともいえます。

 「 米中西部ミネソタ州ミネアポリス市近郊で25日、黒人男性、ジョージ・フロイドさん(46)が拘束時に白人警官から暴行を受け、後に死亡した事件で、警察に対する抗議デモは31日までに全米約50カ所の都市に波及した。デモ隊の一部は車や建物を放火し、主要道路を占拠するなど暴徒化。また2都市で死者が2人出るなどし、緊迫した状態が続いている
 ミネソタ州のワルツ知事は30日朝、「秩序を回復する必要がある」と述べ、第二次世界大戦以降で初めてとなる1万人超の州兵を総動員する考えを表明。同日夜までに4千人以上がミネアポリスなどで配置に就いた。州兵を動員したのは準備段階も含め14州以上で、25以上の都市が夜間外出禁止令を出した
 トランプ大統領は30日、記者団に対し「もし軍隊の派遣を望むのであれば、準備ができている」と述べ、連邦政府も軍の派遣を用意しているとした。
 米メディアによると、西部カリフォルニア州オークランドのデモ会場近くで29日夜、連邦政府の建物の警備担当者2人が銃で撃たれ、1人が死亡。中西部ミシガン州デトロイトでも同日夜、デモ隊に向けて何者かが発砲し、被弾した19歳の男性が死亡した。」

米抗議デモ、50都市以上に拡大 黒人暴行死 14州以上が州兵動員 - 産経ニュース

 本当に怖いのは、こうした国家の内部からの崩壊ではないでしょうか。その意味では中国も決してアメリカを笑うことはできないはずです。コロナショックで、農民工はほとんど失業したままの状態です。今後景気が悪い状態は未だしばらくは続くでしょうから、地方での暴動の可能性は高いままでしょう。

 こうした状況では、国の為政者はどこでも愛国心に訴えるしかほかに手段がありません。ですから、トランプ大統領の中国非難は一層激しさを増すでしょうし、中国は中国で、対外的な強硬姿勢を緩めることはないでしょう。その意味で今後問題になるのは、尖閣諸島南シナ海、そしてインドとの国境地域でしょう。

  インドと言えば、次のような電話会談もありましたよ。

「 金曜(5月29日)の夜、インドの国防相であるラジナスシンと米国国防長官のマーク・エスパーが電話会談を行い、進行中のインドと中国の国境線と実際の支配線(LAC)の側での中国の増強について話し合った
 この電話はアメリカ側の要請で行われたもので、米国大統領がインドと中国の間を仲介する意思があると言っているにもかかわらず、ニューデリーと北京の両方が拒否した。
 会談の内容を読み上げた報道担当は「エスパー国防長官とシン国防相は、地域の安全保障問題について話し合い、秘書はインド太平洋全体のインドのリーダーシップへの彼の確固たる取り組みを表明した」と述べた。
 国防総省はさらに、「エスパー長官は強力で永続的な米印防衛パートナーシップへの支持を繰り返し、両首脳はいくつかの重要な二国間イニシアチブを前進させる方法について話し合った」と述べた。
 国防省は、COVID-19の危機についても、「COVID-19の大流行と戦ったそれぞれの経験について互いに話し合い、この点で優れた二国間協力を継続すると誓約した」と述べた。
 今月初めに西ベンガルを襲ったサイクロン・アンファンは、インドの対応者に対する救援活動についての防衛大臣説明会でも言及されました。
 エスパー国防長官は今年初めに訪問する予定でしたが、COVID-19の危機により訪問できませんでした。
 両大臣は3月に最後に互いに話しました。毎年、両者は通常ASEAN防大臣会合プラス(ADMM-Plus)の傍らで互いに会合し、2つの首都を隔てて隔年開催される2 + 2のインドと米国の外相と国防相が会合します。」

Rajanth Singh, US defence secretary Mark Esper discuss China build-up, India News News | wionews.com

 読めばわかりますが、今後はインド上げ、中国下げの外交が展開されることでしょう。そこで次の焦点は次回のG7にロシア、インド、韓国を招聘したいとトランプ大統領が述べていることです。これはなかなかなじけんですよ。絶対にここに呼ばれないのは、中国な訳で、事実上の反中決起集会になると見られます。

 あらためて暴動に話を戻せば、大統領選に於いて、暴動が頻発するほど分断が激しくなった米国をまとめられるのは、トランプ大統領か、ジョー・バイデンかという二者択一になります。個人的には、バイデンは力不足(メッセージ力不足)ではないかと思われます。トランプ大統領は、口は悪いですが、一般大衆に対する説得力という点では優位にあるでしょう。