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安倍首相は中東に平和をもたらすことができるのか?

平和を破滅させた和平―中東問題の始まり(1914‐1922)〈上〉

 日本の首相がこのようなタイミングで中東和平に向けて努力するといったことが、歴史的にあったでしょうか。今回の中東訪問はその意味で日本の将来だけでなく、世界の将来にとっても大きな意味を持ちそうです。

 まず、先月ロウハニ首相と安倍首相が何を議論したのかを振り返っておきましょう。

「 安倍晋三首相が20日、イランのロウハニ大統領との会談で、日本の船舶保護に向け、中東に海上自衛隊を派遣する計画を伝えたと、日本当局者が明らかにした。
 当局者は首脳会談後のメディアブリーフィングで、ロウハニ大統領は同計画について、航海の安全性に貢献するという日本側の目的に理解を示したと説明した。
 日本の計画では、オマーン湾アラビア海北部、アデン湾の公海を対象区域とし、ホルムズ海峡は含まれていない。また湾岸地域での情報収集に向け駆逐艦とP3C哨戒機を配備する。緊急事態が発生した場合には、船舶の安全を確保するため、防衛相の特別命令により海上自衛隊の武器使用が認められる
 国内メディアによると、同計画は来週にも安倍内閣によって承認される見込み。
 安倍首相はまた、ロウハニ大統領に対し、2015年の核合意の履行を求めたほか、中東の安定化のためにできる限りのことをすると述べた。
 ロウハニ大統領は、核合意を維持できるよう日本などに協力を求めるとした。
 2015年の核合意は、イランがウラン濃縮を制限する見返りに欧米諸国などが対イラン制裁を解除する内容。その後、トランプ米大統領は核合意から離脱し、対イラン制裁を強化している。
 会談後、ロウハニ大統領はツイッターで「エネルギー部門を中心とする経済交流の促進や石油輸出の増加につながるあらゆる取り組みを歓迎する」と語った。
 日本の当局者は、今回の首脳会議で原油の購入については議論されなかったとした。」

日イラン首脳会談、安倍首相が海自派遣説明 ロウハニ大統領「理解」示す | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

イランの首相が19年ぶりにわざわざ日本を訪問して首相と会談を行うのですから、よほど差し迫った問題があったと考えるべきでしょう。訪日の第一の目的は、米国のトランプ大統領との間の関係の仲介であったはずです。今回の事件(スレイマーニ将軍暗殺)にもかかわらず、いや今回のような事件があった場合はなおさら、日本のような中立的な仲介者をイランは必要としているという言い方ができるでしょう。

今後の展開としては、イランと湾岸の親米国家との戦争が懸念されます。今回安倍首相の訪問により、それらの国々と安倍首相は交渉することになります。この仲介が成功すれば、ハルマゲドンは回避しやすくなります。世界の平和は安倍首相の双肩にかかっています