がらがらと音を立てて沈むトランプ政権
やはり、グラム上院議員が離反した意味は大きかったと言えます。
一言で言って、「もう持たない」ですね。
「 トランプ米大統領がシリア領内のクルド人勢力への軍事協力を打ち切り、トルコ軍による同地域への侵攻を静観する姿勢に転向したことは、これまで最も強力に大統領を支持してきた共和党議員から強い反発を招いた。
リンゼー・グラム上院議員(サウスカロライナ州)は「テロ組織のイスラム国に勢力を復活させる決定であり、誰よりも得をするのはイランだ。深刻に憂慮する」とFOXニュースに電話で語った。この決定は「近視眼的、かつ無責任」だとして、大統領に再考を求める決議案をまとめる意向だとグラム議員は述べた。
常にトランプ氏を擁護してきたグラム議員が反対の声を挙げたことで、他の議員がこれに続くかどうかが注目される。
トランプ大統領自身は7日、「滑稽で終わりの見えない戦争」から抜け出さないでいる余裕は米国にはないとツイッターに投稿、決定の正当性を主張した。米軍はシリア領内に30日間展開する予定だったが、延長を余儀なくされ、「目標の見えない戦闘にどんどん深く入り込んだ」とトランプ氏はツイート。3年近く、戦闘を抑制してきたと主張した。」
トランプ大統領のシリア戦略は「無責任」-腹心の共和党議員が批判 - Bloomberg
イスラム国に対して共に戦ってきたクルド人を、ロシアに近いトルコに売り渡したのですから、批判が出るのは当たり前です。少し前の話しになりますが、マティス前国防長官が辞任することになったのも、このクルド人問題でした。
米国の大統領が、率先して戦友を見捨てるようであれば、それこそアメリカという帝国の終わりを意味します。残念なのは、トランプ大統領がその事実に気がついていないことです。しかし、気がついた時はもはや手遅れでしょう。というか、これでトランプ大統領再選の見込みはかなり危うくなったと言えます。まともな議員ならば、トランプ大統領をこれ以上支持できないでしょう。大統領府のスタッフが、次々と議会の委員会に証言を求められ、最終的に、議会の弾劾を受うけることになれば、トランプ大統領も再選を断念し、ペンス副大統領が立候補することになるのではないでしょうか。