イランが始めるチキンレース
トランプ大統領は、どれほど過激な言辞を弄しても、戦争を遂行する気は全くありません。ゼロです。ですから、結局現段階では、イランに対しても、北朝鮮に対しても休戦を望んでいるのです。北朝鮮の場合は、さらに、それを自らの外交政策の成功例にしようとしています。
しかし、イランや北朝鮮にしてみれば、新たな対抗策を打ち出すチャンスです。
「 イランのハッサン・ロウハニ大統領は日曜日、ペルシャ湾岸地域の外国軍が世界の「エネルギー安全保障」を脅かす可能性があると警告した。
AP通信によると、彼はテヘランの軍事パレードで、イランは地域の隣人に「友情と兄弟愛の手」を提供し、湾岸とホルムズ海峡の安全を監督すると誓うと述べた。
彼のコメントは、金曜日にトランプ大統領がサウジアラビアとアラブ首長国連邦にサウジアラビアの石油施設へのドローンとミサイル攻撃に応じて、より多くの米軍と装備を命じた後になされた。
マーク・エスパー国防長官は、米軍が何人配備されるかは明らかにしないが、「米国が地域のパートナーを支援するという明確なメッセージを送ることを意図している...世界経済を支援するために必要な資源の自由な流れを確保する」と「私たちが長い間イランに従うことを求めてきた国際ルールに基づく秩序を守ることへのコミットメントを実証する」と述べた。
金曜日のトランプ政権はまた、イランの中央銀行に対する新しい制裁を発表した。
APは、日曜日のイランのパレードが、この夏に米国の無人機を撃墜するシステムと、中東のイスラエルと米国の基地を攻撃することができるミサイルを特色にしていたと指摘した。また、国営テレビは、高速の攻撃用ボート、防空、その他の機器のビデオを表示したと付け加えた。
一方、ロイターは、ロウハニが今週、国連で湾岸安全保障計画を発表すると報告した。
昨年、トランプ大統領が米国をオバマ時代の核取引から撤退させ、制裁を再課したことから、ワシントンとテヘラン間の緊張は高まっている。」
Iran: Foreign troops in region could threaten 'energy security' | TheHill
とりあえず、アメリカを攻撃することから始めるのではなく、今月開催される国連総会で、アメリカの主張には正当性がかけており、イランであればよりすぐれた解決策を提示できることを示そうとしています。しかし、タンカー襲撃事件にせよ、サウジ石油施設攻撃事件にせよ、イランの関与が強く疑われる状況下で、いい子ぶっても効果は果たしてあるのでしょうか。
とはいえ、日本が非常に困った立場に置かれているのも事実です。ここまで話がこじれてから、海上自衛隊を海上警備行動のために派遣するのでしょうか。対応によっては日本の今後の運命も大きく左右されることになりそうです。