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ロシアに振られたタリバン

ハイエナ・ロード(吹替版)

 まさに、竹内まりやの「けんかをやめて」を彷彿とさせるハートウォーミングな話(嘘)です。

  「国営ロシア通信(RIA)は14日、ロシア外務省の話として、モスクワでロシアとアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)代表による会談が行われたと報じた。
 RIAによると、外務省報道官は「ロシアのザミル・カブロフ(Zamir Kabulov)アフガニスタン担当特別代表がモスクワでタリバンの代表団を迎えた」と語ったが、会談の日時には言及しなかった。
 これに先立ち、ドナルド・トランプDonald Trump米大統領タリバンとの和平交渉打ち切りを発表している。
 ロシア側がタリバンに対し、米国との交渉再開の必要性を強調したところ、タリバン側も米政府と対話を積極的に進める意思があると認めたという。
 米国とタリバン間の和平交渉をめぐっては、米側が駐留軍の規模を縮小し、タリバンが過激派グループを排除し安全を保証するとの内容で合意に達するとの期待が着実に高まっていた。
 しかし、トランプ大統領は7日、アフガニスタンの首都カブールで米兵を含む12人が死亡した自爆攻撃を理由に、米国で予定されていたタリバン幹部らとの極秘会談を急きょ取り止め、タリバンとの和平協議は「終わった」と宣言した。
 一方、米国とタリバンとの和平交渉に影響力を行使したいロシアは、今年に入ってからモスクワでアフガン政治指導者らとの会談を2回開催している。」

ロシアがタリバン代表とモスクワで会談、米との交渉再開促す 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 アメリカのトランプ大統領を振って、ロシアのプーチン大統領に拾ってもらおうと思ったタリバンは、ロシアから、「アメリカと仲良くできないなら、こちらも対応ができない」と言われ、思わず「アメリカと交渉します、喜んで」と返答したのです。

 タリバンは、ロシアに足元を読まれていたのですね。タリバンの最大の誤算は、アメリカとロシアが対抗関係にあるという冷戦思考にとらわれていたことでしょう。確かに、ウクライナ侵攻や大統領選への干渉問題もあり、米ロ関係は冷却していましたが、本音のところでは、あまり争い会いたくないという本音があるわけです。これは、中国に対抗するときも同様でしょう。

 この経緯を見る限り、アメリカにアジアでの活動を認め、中国と対決することをロシアが認める一方で、ヨーロッパではある程度のフリーハンドを認めるという取引があるかのようです。

 ですから、来るべき米中戦争には、ロシアが中国の側に立って参戦する可能性は非常に低いと言えるでしょう。