株価は少し持ち直したドイツ銀行(それでもほんの少し・・・)
確かに、株価の面で見れば少し持ち直したとは言えるでしょう。
「 少なくとも株式市場では、ドイツ銀行は 、正式発表以前の状態であっても、すでに計画されていた大幅な人員削減の恩恵を受けている。ドイツ最大の銀行の株価は月曜日の午前6.90ユーロで、金曜日の終値から3パーセント上昇した。比較すると、ドイツのDAXは、わずか1.3%しか上昇していない。
金曜日と週末には、インサイダーからの情報としてウォールストリートジャーナルとブルームバーグは、銀行は現在の仕事の5分の1以上を超える2万人の雇用を削減することを検討していると報道している。報道によれば、今週、そのとおりの内容が公表された。
ドイツ銀行は長い間危機に瀕している。CEOのクリスティアン・ゼーヴィングは、5月末の年次総会ですでに大規模な企業再編を発表した。「我々は厳しい人員削減の準備ができている」とゼービングは語った。
変革の一環として、大幅なコスト削減と収益の停滞への対応がある。投資家は長い間、グループの収益見通しが改善するのを待っていた。ゼービングがCEOに就任して以来、先週の金曜日までで、ドイツ銀行は、その株価の40パーセント以上を失った。それでも、6月初め以降、株価は5.80ユーロから6.72ユーロに上昇している。2007年の金融危機の発生以前は、ドイツ銀行の株価はまだ90ユーロ以上で取引されていた。」
Deutsche Bank: Aktie steigt nach Berichten über massiven Stellenabbau deutlich - SPIEGEL ONLINE
一旦株価は上昇したものの、採算を回復させるメドは全く経っていません。逆に、2万人もの人員をリストラするとすれば、収益を上げるチャンスもそれだけ遠のくという見方も可能でしょう。短期的に、資金のやりくりはついても、それでは根本的な問題の解決には成りません。コメルツ銀行との合併工作も失敗し、後は、経済危機の波にもまれて倒産するしか他に道はなさそうです。
ストレステストに合格しているにせよ、収益の停滞という根本問題は全く解決されていません。チャイナショックというスイッチが入れば、自動的にドイツ銀行も倒産することになるでしょう。あとは、中国経済がいつまでもつのか、それが焦点になります。
その意味では次のエントリーは参考になります。