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タンカー攻撃事件の真相

東京湾炎上

 東京湾が炎上する可能性は低いですが、ペルシャ湾は炎上するかも知れません。

 「 中東で13日に起きたタンカー攻撃を巡り、米国がイラン包囲網を強めている。イランが事件に関与したとする証拠を次々と示し、英国が足並みをそろえた。一方でイランは猛反発し、中国やロシアに接近する。タンカー事件を巡る対立は関係国を巻き込み、国際社会の分断に発展するおそれが出てきた。
 「機密を解除して情報をできる限り公開していく」。シャナハン米国防長官代行は14日、ホルムズ海峡付近で起きたタンカー2隻に対する攻撃にイランが関与したと指摘した上でこう力説した。具体的には攻撃に使われた爆弾の種類や製造元の情報を挙げた。
 米軍は精鋭部隊のイラン革命防衛隊が攻撃後にタンカーに近づき不発の機雷を除去したとする映像を公開した。14日には米軍当局者が攻撃を受けたタンカー周辺を飛行していた米国の無人偵察機に対し、イランが地対空ミサイルを発射したと明らかにした。
 元国務省高官のマイケル・シン氏は米国の矢継ぎ早の情報提示について、情報収集能力の強化が効果を上げている可能性を指摘する。米政権は5月下旬、情報収集部隊を中心に1500人の増派を決め、無人偵察機の運用を拡充した。シン氏は「未公開の証拠資料が多く残っている」とみる。
 米国に同調する動きもある。英国のハント外相は14日、タンカー攻撃へのイランの関与は「ほぼ間違いない」と断言した。英国はイラン核合意を一方的に離脱した米国と距離を置いてきたが、イラン批判に転じた。
 主要国で米国に足並みをそろえるのは英国が初めて。米国は関係国を取り込んでイランの包囲網を築くことを狙う。イランと敵対関係にあるサウジアラビアもタンカー攻撃の背後にイランがいるとの立場を取る
 ただこうした強硬姿勢は国際社会の分断を深めるリスクをはらむ。イランのロウハニ大統領は14日の上海協力機構の首脳会議で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席に「中国やイランへの圧力によって米国は世界を支配しようとしている」と語った。
 ロシアも「事件について誰かを非難してはならない」(外務省)とする声明を出した。核合意の枠組みにとどまる中ロはイランへの支援を鮮明にしており、対立の構図が米英と中ロにまで拡大する構図が強まる。
 現時点でタンカー事件を巡り、関係各国は中立的な立場を保つ。ドイツのマース外相は14日、米軍がイラン関与の証拠とした映像に触れて「結論を出すには証拠が十分ではない」と語った。フランスも慎重な姿勢を取る。
 ペルシャ湾ではタンカー攻撃が危機につながった歴史がある。1980年代のイラン・イラク戦争のさなか、膠着状況を打開しようと双方がペルシャ湾を航行する船舶に機雷やミサイルによる攻撃をしかけた。
 タンカー護衛を引き受けた米軍の艦船が88年、機雷による攻撃を受ける事件が起きた。米軍は「プレイング・マンティス(祈るカマキリ)作戦」と呼ばれる反撃作戦で、イランの石油プラットホームを破壊し、イラン海軍の複数の艦船を撃沈した。
 今回もタンカー攻撃やその犯人の特定を巡って米国とイランの主張が真っ向から対立する。ホルムズ海峡付近での新たなタンカー攻撃が起きる可能性も否定はできない。
 7月上旬にはイランが核関連活動を加速させるかを判断する節目を迎える。核開発をちらつかせて外交交渉を優位に進める瀬戸際戦術との見方もあるが、米国の警戒が強まるのは必至だ。
 米国側に立つ英国、イランを支援する中国やロシアといった各国の関係がより複雑になるなかで、中東情勢が一段と緊迫化するリスクが高まっている。」

米がイラン包囲へ攻勢 攻撃「証拠」次々、英が足並み (写真=AP) :日本経済新聞

 今回のタンカー攻撃事件でイランの関与の可能性が深まったと言えます。サウジの主張はイエメンのフーシ派ということですが、これはこれでポジショントークといえるかもしれません。

 しかし、重要なのは、英国がアメリカの側に回ったという事実です。これはよほどの証拠が英国に開示されたためだと考えられます。アメリカの提示するあやふやな証拠に基づいて英国のブレア政権が参戦したイラク戦の例も有るので、米国の提出する証拠が必ずしも信用できるとは限りません。それでも、同じミスは繰り返せないとも思うのです。(興味があるのは、この事件をきっかけにBrexitがどう動くかです。今後はスムーズに動く気がします)

 具体的な下手人としてはイランの革命防衛隊の可能性が高まったと考えられます。