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安倍首相、イラン訪問の成果

イランを知るための65章 エリア・スタディーズ

 残念ながら、安倍首相のイラン訪問は中東地域の意思を明確にしただけでした。

  「国土交通省の海事局安全政策課は13日、ホルムズ海峡で日本の海運会社が運航する船舶が被弾したとの情報が入ったと発表した。
 被弾したのは国華産業(東京都千代田区)が運航するケミカルタンカー(船籍パナマ)で、日本時間午前11時45分(現地時間午前6時45分)ごろ発生した。日本人の乗組員はいなかったとの情報があるという。
 世耕弘成経済産業相は「日本関係の積荷を積んだ船が攻撃された。さらなる情報を収集している」と明らかにした。乗組員にけがはないという。
 世耕経産相はまた「現時点で日本のエネルギーの供給には全く問題は生じていない」と述べた。」

ホルムズ海峡付近で日本の海運会社の運航船が被弾=国交省 - ロイター

 これが、安倍首相のイラン訪問の成果であり、結果であると言えるでしょう。今回の船舶に攻撃を行った下手人としてあげられるのは、イランの革命防衛隊を中心とする保守派、もしくはイランに対立するサウジを中心としたスンニ派連合でしょう。
 イランの革命防衛隊、特にクッズ軍呼ばれる工作部隊による反抗であれば、アメリカをバックにした日本の仲裁を受け入れる意思はないということを言外に表明したと言えるでしょう。
 スンニ派連合であった場合、イランとの戦争は既にスケジュールに入っており、日本の介入を快く思っていないということになります。
 それ以外には、民間軍事会社による攻撃という可能性も考えられますが、これに関しては見当がつきません。依頼主は原油価格を上昇させたいのかも知れません。
 いずれにせよ、中東戦争は回避出来ないということがはっきりしたということが、今回の安倍首相の訪問の成果であったと言えるでしょう。