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中国が拡散する効率的監獄に我々は耐えられるのか

中国の“穴場

 中国にわざわざつかまりに行くわけには行きません。

  中国通のジャーナリストの方々に話を聞くと、一昔前ならば、北京からでなければ、入国は比較的容易という話もあったのですが、最近では顔認証だけでなく、音声認識とも紐づけがなされ、どこに行っても当局に場所が割れてしまうようです。

 それが、ジャーナリストだけでなく、観光客もとなればとても中国には観光旅行には行けないでしょう。

「中国・北京市の観光局が、迷惑な観光客を「ブラックリスト」に登録して観光地から締め出す対策を検討している。

 国営メディアが北京公園管理当局の話として伝えたところによると、清明節の3連休を利用して中国国内から北京を訪れる観光客の増加に伴い、桃の木によじ登ったり、花を摘んだり、植物を荒らしたり、公園内の池で釣りをしたり、公園内で不法に物品を販売したりといった観光客による迷惑行為が急増した。

 そうした観光客を阻止するため、顔認識ソフトウエアなどの技術を使って公園の入場者を監視し、ブラックリストに登録した人物の立ち入りを阻止する対策が検討されている。

 北京市内にある天壇公園は2017年、トイレットペーパー泥棒を防ぐための措置として、トイレに顔認識のためのスキャン装置を設置した。目を合わせると1回分のみペーパーが出てくる仕組みで、追加が必要な場合は9分間待たないと支給されない。

 文化観光省によると、今年の清明節の中国国内旅行者は1億1200万人を超え、前年より10.9%増えた。北京だけでも70万人以上が市内の公園を訪れている。

 観光客の取り締まりはここ数年で強化されつつあり、中国国家観光局は16年、過去に迷惑行為を行った20人をブラックリストに登録して移動を制限した。

 昨年のブラックリスト登録者は670人を突破。リストに登録されれば最大で1年間、航空機搭乗や列車乗車を断られることがある。

 中国では国民のあらゆる行動を監視する社会格付け制度の導入も提案されている。格付けが低い人は旅行を禁止されたりローンの申し込みが難しくなったりする可能性がある。」

CNN.co.jp : 北京市、迷惑な観光客の「ブラックリスト化」を検討 顔認識で締め出し

 確かに、顔認証で迷惑行為を行う観光客ですらとりしまるというのですから、治安の維持という意味ではこれ以上優れたシステムもないでしょう。ただ、言論の自由がなく、事実上国内の反体制派を認めないということでもあるのですから、これ以上グロテスクな統治システムもないでしょう。

 問題は、中国人自身が自らのグロテスクさに気が付いていないことでしょう。これは困った事態です。というのも、中国が影響力を強めれば強めるほど、このグロテスクな監獄のようなシステムが世界中に普及する可能性があるためです。

 今の日本に住んでいれば、わからないかもしれませんが、例えばパキスタンのような後進国で、治安対策のためにこの種のシステムを導入するという可能性は否定できません。世界がますます中国化するわけです。我々はこの中国が生み出す監獄の内部化あるいはせいぜい監獄に囲まれて暮らすしかないのです。

 今後発生すると予測されている米中の軍事衝突は、こうした中国のグロテスクなシステムを我々が認めるのか否かを決定する戦いでもあるのです。これだけにはどうしても負けるわけには行きません。