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中国の経済政策の行方

中央銀行: セントラルバンカーの経験した39年

 今後の世界経済の動向を決定するのは中国であるといっても過言ではありません。今回は中国人民銀行の発表を考察しましょう。

  「中国人民銀行中央銀行)は9日に公表した四半期金融政策実施報告書で、世界の経済見通しは悪化しており、対米貿易摩擦が世界で2位の規模の国内経済に打撃を与えているとの兆候を受け、金融政策を微調整すると表明した。
 人民銀は同報告書で、「外部状況は重大な変化を遂げつつあり、下押し圧力が強まっている。また一部企業は事業運営が一段と困難になっており、長期的に蓄積したリスクがあらわになりつつある」と分析。「情勢の変化に合わせて先制的に政策を調整・微調整する」とした。
ポイント
1.人民銀は政策を、将来を見据えた柔軟なものにするほか、「対象を絞る」と言明
2.「慎重かつ中立的」な金融政策という表現を残す一方で、前回の報告書の「洪水のような強い刺激に断固反対」との文言を削除した
3.人民銀は金融機関による中小・零細企業、民間企業支援を後押しする
4.人民銀は貿易摩擦が中国の将来の輸出に比較的強い不確実性をもたらすと予想
5.人民銀は「隠し債務」の増加を断固として抑制するとあらためて表明」

中国人民銀:情勢の変化に合わせて先制的に政策調整へ-四半期報告 - Bloomberg

 これを見る限りでは、中国人民銀行も自国の経済を冷静に見ているのではないでしょうか。アメリカとの通商摩擦が、そろそろ限度に達しており、このままでは支えきれないこと。そして、「洪水のような強い刺激」を用いるかもしれないこと。隠し債務もそろそろ危ないことと論点を挙げてみれば、中国経済が曲がり角に差し掛かっていることは明らかでしょう。

 前回にも取り上げましたが、銅の先物価格は下落しています。そろそろ全体的に相場が崩れることを覚悟しておいた方がよいでしょう。