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カタパルトを備える中国空母

Slubanビルディングブロック遼寧空母戦闘群03881:350子供たちはおもちゃを組み立てるパズル

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いよいよ中国の空母の全貌が明らかになってきました。

 産経新聞からです。

「中国海軍の艦船の建造を手がけている国有大手、中国船舶重工集団は通信アプリ、微信(ウェイシン)を通じ、国産2隻目とみられる空母のイメージ図が含まれる写真を発表した。21日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報などが報じた。上海で建造計画が進む国産2隻目について、イメージ図が公になるのは初めてとみられる。

 写真は中国船舶重工集団の幹部が参加した19日の会議の様子を撮影したもので、背景に空母3隻が航行するイメージ図が写っている。うち2隻は空母の船首部分に傾斜がついたスキージャンプ式で、それぞれウクライナから購入して改修した「遼寧」と、遼寧省大連で建造中の国産初の空母とみられる。

 一方、残る1隻の中央の空母は甲板が平らで、艦載機発進のためのカタパルト(射出機)を搭載。環球時報は「中国が近い将来に3隻の空母を保有することを意味している」との専門家の見方を伝えた。(共同)」

2隻目の国産空母予想図か 中国造船大手がネット掲載 - 産経ニュース

 はっきり言って、このカタパルトには大きな意味があります。
 中国が保有する艦上戦闘機J-15は、空母「遼寧」から発進させる場合、搭載できる武器の重量が2トンであり、陸上基地から離陸する場合の12トンよりも極めて少ないのです。陸上から運用する時の約6分の1しか、ミサイル等を搭載できないためです。
 これは、離陸重量の制限によるものです。離陸距離が十分に取れないために、離陸のための加速を十分に行うことができず、重い重量では離陸できないのです。
 「遼寧」の艦載機にも問題があります。中国が、ロシアの戦闘機をベースに開発した艦載機のエンジン出力が不足しているとみられています。エンジン出力が不足しているために、飛行甲板上で、十分な加速が得られないのです。
 そもそも、J-15は、外観はSu-33に酷似しているが、電子装置やエンジンなどは中国の自国開発です。そのために、エンジンの出力に問題があるのです。
 出力に問題があるのは空母遼寧も同様です。船体が十分な速度を保てないので、重たい飛行機を離陸させることができないのです。
 したがって、三番艦にカタパルトが装備されれば、中国空母の脅威はこれまでになく高まることになります。おそらくは、カタパルトの技術はアメリカなどから剽窃したのでしょうが、あと5年も経てば、中国海軍は非常に強大化することになります。
 これが、現在米中対決を生みだしている最大の理由と言っても良いでしょう。アメリカは恐らくは、この事態を放置しないはずです。ただ、いきなり軍事衝突はできないので、通商問題から入るというのがトランプ流なのです。