米財務長官の無言の抵抗
現在のトランプ大統領政権では、専ら不法移民の親子を別々に収監していることが激しい批判を浴びています。経済に関しては、実は政権内部から不平が生まれているようです。
「スティーブン・ムニューシン財務長官は、ドナルド・トランプ大統領の中国との貿易戦について、何も言わないことで彼の不満を表明している。
ムニューシン財務長官は、一般的には、トランプの小規模な業績ですら大絶賛するのだが、大統領が数十億ドルの中国製品に対する関税引きあげに不満を示すために、意図的に沈黙をまもっていると、彼の発想に詳しい二人の人物が述べている。財務長官は、内部的に貿易政策に関する紛争を解決しようとしているというのである。
ムニューシン財務長官は、先月、大統領が検討する中国への関税を保護主義的だと批判したが、その戦いに敗れ、今では、沈黙が最高の戦略だと考えている。財務長官は,トランプ大統領にもうすこし穏健な対応を取るように求めたが、大統領は逆に論争をエスカレートさせた。先週、中国製品に対して500億ドルもの関税を宣言し、中国が対抗措置を執るならば、さらに、2000億ドル以上の関税を課すと脅迫したのである。
沈黙は、政権の他の幹部との意見の衝突を引き起こすことなく、財務長官が大統領に対する忠誠心と金融市場での彼の信用の維持バランスさせる方法である。
彼の決定によって、政府の経済に関するスポークスマンとしての役割を、ロバート・ライトハイザー通商代表部(Robert Lighthizer)やホワイトハウス通商問題顧問ピーター・ナバロ(Peter Navarro)のような中国や他の米国の貿易相手国に対して、より強硬な立場を取っている人々に、少なくとも一時的に譲り渡している。しかし、財務長官は、意見の対立を回避することで、大統領に対する影響力を維持しようと希望し、方針変更を提案するチャンスを待っているのである。(以下略)」
Mnuchin’s Silence Signals His Displeasure With Trump’s Trade War - Bloomberg
サンダース報道官も、年内で職を離れるようです。又、有名なヘイギン米大統領次席補佐官も退任が決まりました。ヘイギン補佐官は、レーガン、ブッシュ父子の共和党政権でポストを担ったベテランで、トランプ政権では最も豊富な経験を持つアドバイザーの1人でした。トランプ氏初の外遊となった1年前のサウジアラビア、イスラエル、ベルギー、イタリア歴訪や昨年11月のアジア歴訪の調整にも当たっていました。こうした実務者が制憲を離れるのは、それだけ、トランプ政権に嫌気がさしたということなのでしょう。
移民問題を間違えれば、今回の中間選挙では上下院ともに民主党に敗北するという予測も見られるようになりました。
トランプ政権も、相次ぐ醜聞により、レームダック化することになりそうです。