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インドのモディ首相にすり寄る習近平

インド・オブ・ザ・デッド(字幕版)

 対米関係が悪化する中で、アメリカ以外の国との友好関係を深めて、そのダメージを何とか緩和したい習近平です。

 そこで習近平が目を付けたのがインドです。 

 「 中国の習近平国家主席は11~13日の日程で、インドを非公式訪問した後にネパールへの公式訪問を行う。米国が通商問題をはじめ全面的な対中圧力を強める中、習氏はインドや日本など多くの懸案を抱える隣国とも関係を改善する“八方美人外交”で足元を固める方針だ。ただ中国の友好国パキスタンは「宿敵」インドへの接近に警戒を強め、中国はバランスに腐心している。
 中国外務省の羅照輝次官は9日の記者会見で、習氏のインド訪問の背景について、トランプ米政権を念頭に「一国主義や保護主義が台頭する中、2大発展途上国の関係はより重要になっている」と説明した。
 中国は米国が参加していない東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の妥結を急ぐが、中国製品の大量流入を懸念するインドが広範な関税撤廃に後ろ向きだ。中露主導の上海協力機構(SCO)加盟国で唯一、巨大経済圏構想「一帯一路」に支持を表明していないのもインドだ。米国主導の対中包囲網にくさびを打ち込むにはインドを引き寄せることが重要となる。
 ただインドとの接近は、中国の長年の友好国で「全天候型」の戦略的協力パートナーと位置付けるパキスタンが注視。習氏とモディ首相の首脳会談は湖北省武漢で行われた昨年4月に続いて非公式会談とし、首都での接触を避けた。
 中国は習氏の訪印直前にパキスタンのカーン首相を北京に招き、メンツを立てる配慮も見せた。習氏は9日、同首相との会談で「核心的利益に関わる問題はパキスタンを揺るぎなく支持していく」と約束した。
 ただインドが北部ジャム・カシミール州の自治権を剥奪した問題について、中国側はパキスタンと共闘する姿勢をトーンダウンさせている。中国は8月、同問題をめぐって国連安全保障理事会に会合の開催を要請し、国際問題として扱う姿勢を示したが、中国外務省の耿爽(こうそう)報道官は今月8日、カシミール問題については両国に「対話」を強化するよう求めるにとどめた。」

中国が“八方美人外交” 習近平主席、インド訪問後はネパールへ - 産経ニュース

 来年の訪日と合わせて考えれば、このタイミングでのインド訪問は、習近平にとっての最後のあがきのようにも見えます。おそらくはRCEPなどを軸とした通商問題の教義ですらどうでもよいのかもしれません。ただひたすら、中国は孤立していないというイメージを国際社会に投げかけたいのだと思います。

 一時は、核戦争にも言及していたパキスタンのカーン首相も、頼りの中国がこのありさまではカシミール問題をめぐって緊張をむやみに高めるわけにもいかないでしょう。

 中国のインド接近に対抗してカーン首相はイランを訪問しましたが、イランと中国が様々な意味で蜜月であることを考えれば、インド・パキスタン関係もこのままぐだぐだな状態で終わりそうです。