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これでHard Brexit決定か?

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2019年2/12号[袋小路の英国 EU離脱3つのシナリオ]

 いや、長かった。ほんとに長かったですよ。15日ぐらいに決着がつくと思っていたのですが、乱れに乱れた英国下院の混乱により、いまだに3月末日での英国離脱が決定していませんでした。さすがに、首都パリを黄巾の乱で埋め尽くしているマクロン大統領です。グッジョブです(乾いた笑)!

 「 フランス大統領府の当局者は19日、英国が欧州連合(EU)離脱の延期を要請した場合、フランスには拒否する用意があることを明らかにした。
 EUは21─22日に首脳会議を開催。これに先立ち、英国のメイ首相の報道官はこの日、メイ首相がEU離脱の延期を要請する書簡をトゥスクEU大統領に19日か20日に送付することを明らかにしている。 仏大統領府当局者はフランスが離脱延期要請を拒否する可能性について「延期の条件が満たされなければ、拒否は1つのシナリオとして存在する」と指摘。英国が条件などで合意しないままEUを離脱することは望ましくなく、EUも、フランスを含む加盟各国もそうした状況に英国を追い込むことはしないとしながらも、「向こう数日間、さらに言えば向こう数時間以内に代替策が示されなければ」フランスが拒否することはあり得ると述べた。
 当局者はこれに先立ち、英国の離脱延期要請には明確で堅固な理由が必要との考えを表明。離脱協定案の採決などが実施されない場合は、自動的に「合意なし」の選択を取ることを意味すると述べていた。
 英国の離脱延期は、英国以外のEU加盟27カ国すべてによる承認が必要になる。」

仏、英EU離脱延期を拒否する用意=大統領府当局者 | ロイター

 英国では、脱離協定案の採決がなされないまま、メイ首相がブリュッセルに赴くわけですから、文字通りに考えれば、自動的に「合意なし」になることになります。

 率直に言って、ハードな方が英国にとってはよいと思います。現在のところは、さんざんドイツやフランスから脅迫されますが、EU関係の予算を支払う必要がなくなるだけでなく、外交・通商政策での自由度を得られること、さらには今後のヨーロッパ大陸の混乱を考えれば、ハード・ブレクジットでしがらみを一度生産しておいた方が最終的にはメリットになるはずです。

 実際のところ、英国に抜け駆けされると、加盟国が増えつつある現在のEUの経済的負担はドイツとフランスに降りかかります。これはとりわけドイツ経済を消耗させることでしょう。ですから、本音の部分では、何としても英国をEUに残留させたいのです。

 しかし、今回のマクロン大統領の発言は、強気に出すぎて、失敗するパターンだと思います。