「人間の屑」大統領補佐官に
以前にもお伝えしましたが、安全保障担当補佐官のマクマスター中将が更迭です。その代わりに政権入りするのが、悪名が高いあの人なのです。
ロイターからです。
「ボルトン氏はイランや北朝鮮に対する軍事力行使を支持したタカ派で、ロシアに対しても強硬路線を主張。トランプ氏にとってはこの1年2カ月で3人目の国家安全保障問題担当補佐官となる。
ボルトン氏はワシントンでは乱暴な人物として知られ、官僚時代は内部闘争を繰り広げた。ジョージ・W・ブッシュ政権時代、国務省の彼の机の上には、信管を外した手投げ弾が置かれていた。
2007年に出版した回顧録のタイトルは、「Surrender Is Not An Option(降伏は選択肢にあらず)」。最も好む批判対象には、イランや北朝鮮、国連や欧州の各国政府、国際条約などが含まれる。
2003年、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議開催を控え、ソウルで行った演説でボルトン氏は、北朝鮮の金正日総書記(当時)を「圧政的な独裁者」と批判。北朝鮮側は、ボルトン氏のことを「人間のクズ」と呼んで反発した。」
焦点:超タカ派の新補佐官ボルトン氏、「降伏は選択肢になし」 | ロイター
国家安全保障問題担当の大統領補佐官ポストは、議会承認は必要ありません。ですから、ボルトンは、補佐官として、数百人いるホワイトハウスの国家安全保障担当の専門家を監督することになります。
マクマスター前補佐官との違いは、対ロシア政策にあります。執拗にロシアの脅威を主張するマクマスターに、トランプ大統領が愛想を尽かしたというのが真相です。ボルトン本人も、「率直に言って、私のプライベートでの発言は、すでに過去のものだ」と述べているので、これまでのような過激な発言は見られなくなることでしょう。そして、トランプ大統領が考えるロシアとの関係強化に乗り出すものと見られます。
北朝鮮から見れば、このところのトランプ政権の閣僚交代は脅威に映っていることでしょう。ポンペオ親国務長官も北朝鮮強硬派であり、ボルトンに至っては、あのイラク戦を主張した張本人なのです。軍事的に他国の体制を転覆させることに何のためらいもない閣僚がそろっているのです。
ですから、首脳会談が行われたとしても、トランプ大統領の意に沿わない結果に終われば、再び緊張が高まることが予想されます。
北朝鮮の問題を置くとしても、中東での戦争に乗り出す可能性も非常に高くなってきました。アメリカは徐々にきな臭くなっていると言えるでしょう。