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ドイツを崩壊させたメルケル

レオパルトI戦車写真集 (HJ MILITARY PHOTO ALBUM)

 現段階でのメルケル首相の評価は、かなり酷いものです。シリア難民の受け入れを行ったために、ヨーロッパ全土がテロの温床となってしまいました。経済では鉱石があったのではないかという意見もあるでしょうが、それ以前に国の形がつぶれてしまってはもともこもありません。

  とにかく、現在のドイツ国防軍の状況は最悪なのです。
ドイツのヴェルト紙から「内部文書が語るドイツ国防軍への過大な要求」という記事を紹介しましょう。
 「ドイツ国防軍は、NATOの緊急介入部隊のための戦車を必死で探している。ドイツ空軍の航空機は一年で4ヵ月しか稼働できない。野党はこの現状を国防省の責任であると見なしている。
 ドイツはNATOとの約束を守るに当たって大きな困難を抱えている。
 2019年の諸島にドイツ国防軍は多国籍緊急介入部隊の指揮を東欧でとることになっている。ドイツ陸軍には、稼働可能な戦車が不足している。
 ドイツ国防省の内部文書によると、ミュンスターの第9戦車旅団には必要とされる戦車「レオパルト2」の44台のうち戦闘準備が完了しているのはその9分の1足らずである。「マルダー歩兵戦闘車」は14台のうち3分の1しかない。その理由は、部品交換費の不足、整備費の上昇にある。それ以外にも、暗視装置、グレネードランチャー、補助的運搬装置、冬用の装備、防弾チョッキが不足している。
 ドイツ陸軍は、現存する能力の欠損を現存する部隊で埋め合わせをするとのことだ。その結果、国防軍の他の部隊の訓練・演習が不十分になる。
 さらに、53機の軍用輸送機が稼働していない。これらの兵器システムのいずれの機体も、出動、訓練、練習のために年間4ヵ月しか自由に使うことができない。残りの8ヵ月は、これらの航空機は、修理、メンテナンス、更新のためにボーデンに配置されている。(以下略)」

Bundeswehr bei Nato-“Speerspitze“: Papier belegt Ausrüstungsmängel - WELT

 結局、国防軍の状態はがたがたなわけです。経済に専念するあまり、安全保障はがら空きになってしまったということでしょう。
 しかし、今後10年は経済よりも安全保障が問題になります。世界の各地で戦争の火蓋が切られようとしているときに、飛行機が年間4ヵ月しか飛行できませんというのでは論外でしょう。
 移民政策も含めて、国家の安全保障を確保できるのかが,今後の問題になります。そのために、英国はEUを離脱し、アメリカは、中東からの厳しい移民制限を設けているのです。
 ですから、投資先としてドイツやフランスの国債を購入するのは、非常にリスキーであると言えます。今後は安全保障面も考慮に入れた投資が重要になることでしょう。