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米、キューバ大使館の閉鎖か

 すでに報道はされていますが、キューバの位置づけをもう一度再確認しておきましょう。

 

 

 英語メディアではもう少し前から報道されているのですが、CNNから引用します。

「ワシントン(CNN) ティラーソン米国務長官は20日までに、米政府がキューバの首都ハバナにある米国大使館の閉鎖を検討していることを明らかにした。米CBSテレビとの会見で述べた。
 ハバナの米大使館の再開は、キューバとの関係改善に努め、国交回復も果たしたオバマ米大統領の2期目終盤に実現していた。ただ、米大使館では最近、「音響攻撃」とみられる被害が出て、米外交官らが体調の異変を訴える問題が起きていた。
 この健康被害を受け米共和党上院議員5人が最近、ティラーソン氏に書簡を送り、大使館閉鎖などを求めていた。長官はCBSとの会見で健康被害に対する極めて重大な懸念を示し、大使館閉鎖を評価の対象にしていることを明かした。(以下略)」

CNN.co.jp : 米政府、キューバの大使館の閉鎖検討

 基本的にアメリカ共和党は反キューバの色彩が強いので、オバマ政権の時のキューバとの国交回復を素直に喜べないのは理解ができます。特に人権問題で改善がみられないことにはいら立ちを隠せないようで、6月からは渡航やビジネス面での規制も始まりました。

 人権問題を出すならば、確かにキューバは国交回復の意味のない国になるでしょう。しかし、オバマ政権のキューバ国交回復は、米国の裏庭であるカリブ海に中国の拠点となる国を作りたくないという意欲があったとみられます。

 その意味では中国と近いベネズエラに対するトランプ政権の対応も厳しいのは理解できるのですが、オバマ政権でのキューバ国交回復は、来るべき米中対立の時代に備えたものであったはずです。

 今回の大使館の撤退という話も、「音響攻撃」によるものとされているので、必ずしもアメリカの独断専行というわけではありませんが、空いたスペースに中国が乗り込んでくるという事態は避けてほしいものです。

 とはいえ、インテリジェンスという意味では、中国の通信傍受基地がキューバには設置されています。ロシアがキューバに置いていた施設を中国が引き継いだのです。すでに拠点といえば拠点があることにはなります。