FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

米共和党に接近する北朝鮮

 北朝鮮にとっての勝利条件は米朝国交の樹立です。とするならば、現在の核実験・ミサイル実験はあくまでフェイクであって、アメリカとの交渉こそが生命線なはずです。国連を通じたパイプ以外に、ようやく北朝鮮も本腰になってきました。

 

 ワシントン・ポスト紙を引用する形で、産経新聞北朝鮮によるワシントンの共和党関係者の接近を報じています。
 「北朝鮮が接触を図ったのは、トランプ政権に影響力を持つ政策研究機関、ヘリテージ財団朝鮮半島専門家で中央情報局(CIA)に勤務した経験を持つブルース・クリングナー上級研究員や、共和党政権でアジア担当の高官を務めたカーネギー国際平和財団のダグラス・パール副会長。
 同紙によると、クリングナー氏には北朝鮮国連代表部が接触し、平壌に招待した。パール氏には北朝鮮政府の仲介者が接触し、スイスなどで北朝鮮政府の当局者と共和党系の専門家による会議を開くことを持ちかけた。クリングナー、パール両氏は北朝鮮からの要請を拒否した。」

【北ミサイル】ICBM能力獲得「近い」 ダンフォード米統合参謀本部議長 - 産経ニュース


 この接触の目的は、トランプ大統領とはいかなる人物なのかを遅まきながら調べ始めたということと、北朝鮮を核保有国として認めさせることにあるといってもよいでしょう。
 従来北朝鮮は、中立的な場所、たとえばスイスのジュネーブやマレーシアのクアラルンプールで米国側と会合を持ってきました。これらの会合はトラック1.5と言われています。北朝鮮側は政府職員が、そして米国側は民間が対応しているためです。通常トラック2といわれるものは、政府間の交渉と民間の交渉が同時に行われることを指します。米国側が(少なくとも形式的には)民間人を宛てるために1.5というわけですね。
 ただ、金正恩も、自分の最初の目論見とは違う方向に事態が進んでいるために、「トランプとは何ものなのか」という疑問を自分で調べる必要を感じ始めていると考えられます。

 そして、またスイスです。

firsthedge.hateblo.jp